〝シャッフルシートノック〟を見守る新庄監督。この日はおとなしめな(?)球団のジャージー姿で臨んだ 〝ビッグボス流〟でチャンスをつかめ! 日本ハム・新庄剛志監督(49)は10日、3日間にわたる沖縄・国頭村での秋季キャンプ視察を終えた。最終日は本職と異なる守備位置で打球を受けるシートノックを実施。自身の経験を説き、選手たちに「準備」の大切さを浸透させた。
キャッチボールを終えた野手が、一目散に各守備位置につく。左翼に清宮で、三塁は万波⁈ 何とも違和感のある光景だが、これこそが新庄監督のメッセージ。ネット裏スタンドで見守る報道陣の前で足を止めると、自身が考案した〝シャッフルシートノック〟の意図を熱く語り始めた。
「たった9個しかないポジション。まずは『あのポジションで守れる』という幅を広げてほしい」
捕手は外野、外野手は内野、内野手は内野の中でも本職と異なるポジションにつかせた。「元気、元気ー!!」とスタンドから選手にハッパを掛けノックがスタート。外野手登録の万波が三塁でゴロをさばく様子に「器用だね」とうなずき、捕手登録の郡が中堅からレーザービームを披露すると「いいね!」と手をたたいた。
カジュアルな服装で球場入りする日本ハム・新庄剛志監督=沖縄・国頭村(撮影・斎藤浩一)何とも不思議な練習。その根底には自身の経験があった。外野手として阪神に入団した新庄監督は、プロ1年目から志願して遊撃手の練習をこなした。内外野ができることをアピールし、出場機会をつかむためだった。
その準備が、内野手登録に変更されて臨んだ3年目の1992年に実を結ぶ。三塁手の主砲オマリーが故障離脱したのを機に、2軍から緊急昇格を果たしたのだ。
「ずっと外野をやっていたら1軍に上がれなかった」と当時を振り返り「ショートの練習をしていたらサードもできるということ。もう、どこでもいいんですよ」とニヤリ。オマリーが復帰すると、今度は遊撃の久慈が離脱。緊急時の代役を足がかりに、93年には内野手登録ながら中堅手としてゴールデングラブ賞に輝くなど、サクセスストーリーが始まった。
ビッグボスにとって、チャンスは待つものではなく、つかむもの。「だから、みんなもそういう場面が来たときに思い切ってできるように準備をしてほしい」と選手たちに強く呼び掛けた。さらに「『こういうボールを投げると、このポジションの人は捕りやすいんだな』とか相手の気持ちを理解する。愛情だよね」とチームワークへの好影響にも期待した。
この日、セ、パ両リーグでクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが開幕。新庄監督は練習後の囲み取材を控え、ファッションも球団の青いジャージー姿と派手さを封印し「今日はCSがあるので。話題はあっち」と、右手人さし指を口元に当てた。
話題沸騰の3日間。ビッグボスが日本ハムを、プロ野球を熱く盛り上げる。(箭内桃子)