ユニホーム姿で撮影に応じる巨人・松井秀喜新監督 =東京・港区(撮影・佐藤徳昭) ■10月26日 「ドラフト強行指名」に続く「超大物監督誕生」。とんとご無沙汰だったプロ野球らしいビッグニュースに2日続けて出くわすとは思いもよらなかった。メジャー挑戦を公表した横浜高・織田翔希投手を巨人がドラフト会議で1位指名。波風の立たないドラフトは面白くない。久々に興奮したら翌日は巨人・松井秀喜監督誕生ときた。
織田を〝露払い〟に伝説の横綱土俵入り。織田を指名後、巨人の水野雄仁編成本部長は「日本のファンの方々にお見せしたいという気持ち」と口元を真一文字に結んだ。重大発表を翌日に控え「松井新監督とともに…」と、ノドまで出かかったとしても不思議ではない。
織田指名について松井監督は「知らなかった。びっくりした」と言ったが、そんなことがあるのかとこちらもびっくりだ。直前で松井氏が受諾したことで巨人のドラフト戦略が一変し「織田でいける」となった。そんな経緯を知らされた上で直接出向いて織田を口説き落とせなかったら、松井監督に傷がつくことになる。だから…。素人考えではそうなる。
思い出すのは1978年ドラフトの江川卓投手をめぐる「空白の一日事件」。今回も「密約が…」との勘繰りもありそうだが、コンプライアンスに厳しい今の巨人がそんな無茶をするはずもない。日本一から14年も遠ざかり威光が薄らいだとはいえ、盟主として日本球界の宝を引き留めようという心意気は伝わる。
かつて長嶋茂雄監督がそうであったように松井監督の雄姿を見るために球場に足を運ぶファンは増えるだろう。動画配信にとって代わられた地上波のテレビ中継も戻ってくるかもしれない。来季の景色を想像するだけでワクワクする。(今村忠)