阪神が、前巨人巡回打撃コーチの矢野謙次氏(46)を招へいすることが25日、わかった。前巨人コーチが阪神に入閣するのは異例中の異例。藤川監督と同学年の矢野氏は2024年に巨人1軍打撃コーチに就任し、昨季は2軍打撃チーフコーチ、今季は巡回打撃コーチを務め、21日に退団が発表されていた。
3連覇へ、猛虎打線の強化に向けて、阪神が動いた。白羽の矢を立てたのは、宿敵にいた指南役。巨人の巡回打撃コーチを退任した矢野氏にコーチ就任を要請していることが分かった。
矢野氏は国学院大から2003年ドラフト6位で巨人に入団。勝負強い打撃が売りの外野手として活躍した。15年途中に日本ハムにトレードで移籍。18年に現役引退すると、2軍打撃コーチやスカウトなどを歴任し知見を広げた。
巨人時代にともにプレーした阿部慎之助前監督が1軍監督に就任した2024年から、1軍打撃コーチとして巨人に復帰。昨季は2軍打撃チーフコーチ、今季は巡回打撃コーチを務め、若手選手を中心に打撃面の指導を行っていた。
21日に自身の申し出によって巨人を退団することが発表されたばかり。23日には自身のSNSで「今後については、具体的にはまだ何も決めていません」と投稿していた。阪神のコーチ招へい要請を受諾した場合、異例ともいえる巨人→阪神コーチへの転身になる。
球団史上初のセ・リーグ連覇を果たした阪神だが、今オフはすでに野手総合コーチを務めた藤本敦士氏(49)、1軍打撃コーチだった小谷野栄一氏(46)、上本博紀氏(40)、さらに2軍打撃コーチの梵英心氏(46)と来季の契約を結ばないことが発表されている。野手コーチ4人の退任はチームに衝撃を与えた。
リーグ連覇の原動力にもなった猛虎打線を支えたコーチ陣の相次ぐ退任。4番の佐藤はポスティングシステムを利用した米大リーグへの挑戦を表明し、球団もこれを承認した。その穴を埋め、打線強化が3連覇への至上命題となる中、矢野氏は1軍の打撃コーチを託される可能性が高い。特命コーチとして米大リーグにコーチ留学するなど、経験豊富な矢野氏が入閣が実現すればこれほど頼もしいことはない。
矢野氏は藤川監督と同じ1980年生まれ。同学年の指揮官を、現役時代からムードメーカーとしてベンチを盛り上げてきた男が支える。巨人から阪神へ。伝統球団を渡り歩く仕事人が、虎をさらに強くしていく。
★坪井智哉氏や的場寛一氏も入閣候補
矢野氏の招へいに加えて、前ヤクルト1軍打撃コーチで球団OBの坪井智哉氏(52)、同じく球団OBで独立リーグの石狩レッドフェニックスの監督も務めた的場寛一氏(49)も入閣候補として名前が挙がっていることが25日、分かった。すでに元阪神投手コーチの福原忍氏(49)を招へいするプランも判明している。
■矢野 謙次(やの・けんじ) 1980(昭和55)年9月21日生まれ、46歳。東京都出身。国学院久我山高、国学院大を経て2003年ドラフト6巡目で巨人に入団。15年6月に日本ハムへトレード移籍し、18年限りで現役を引退した。通算成績は759試合に出場、打率・262、374安打、29本塁打、153打点。引退後は日本ハムで1軍外野守備コーチや二軍打撃コーチ、スカウトなどを歴任。24年には1軍打撃コーチとして巨人へ復帰し、今季は巡回打撃コーチ。今季限りで退団。1メートル78、85キロ。右投げ右打ち。