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【球界ここだけの話(795)】阪神・原口、「本の中の人」ノムさんから激励 「いつかお会いできたら…」

2016年、大ブレークした原口

 本の中から飛び出し、語りかけた。今月1月12日付のサンケイスポーツで、野村克也氏(81)=本紙専属評論家=が、阪神・原口文仁捕手(24)へメッセージを送った。紙面でしかお伝えできなかったその内容を、もう一度ここへ記しておきたい。

 原口にとっての野村氏は、「本の中の人」そのものだった。小さな頃から著書を手に取り、読みふけった。虎の正妻の座をつかもうともがく今オフもかばんの中には常に「野村の金言」(セブン&アイ出版)という書籍を忍ばせ勉強し続けてきた。プロ7年目の昨季は支配下登録に返り咲いてようやくの1軍出場を果たし、打率・299、11本塁打、46打点と「打」で結果を残したが、一方でスローイング、キャッチング、リード、ワンバウンドのストップなど、捕手としては課題が浮き彫りになっていた。野村氏にも学びもっともっとやらなくては、という気持ちだった。

 「いつかお会いできたら…とは思うんです。でも、まだ僕は評価するに値しないと思う。しっかりと捕手として試合に出続けて、それからお言葉をいただけたら、と思っています」

 捕手として試合に出続けることもできていない。チームを勝たせることもできていない。今の自分では、まだまだとんでもない、といった口ぶりだった。だが、本紙を通じて原口の必死の取り組みを伝えられた野村氏の方が、言葉をくれた。それが以下のものだった。

 「私の評論や著書を読んでいる、うんぬんではなく、勉強しようという姿勢を評価したい。原口は捕球の際、ミットを動かさず、投手の的になることに徹している。その心がけにも注目していた。打撃もよいが、捕手はグラウンドにおける監督である。失点を防ぐということに、全精力を注いでもらいたい」


 これまで、本を通じてしか得られなかった野村氏の言葉が、直接届いた。野村氏は見ていた。そして、評価している部分もあった。投球を受ける直前にミットを下げず投手に見せ続けておくのは、野村氏が説き続けている基本。原口も理想としており、完全にはできていないがやろうとしてきたことだった。このメッセージを原口は「うれしいですね…」と感慨深そうに受け止めてくれた。

 打撃でも燦然と輝く記録を残した野村氏が、「失点を防ぐことに全精力を注げ」という。打を売りとする原口も、まずは短所をなくしていくしかない。もっともっと、野村氏に厳しい評論をされる上のステージまで、原口は駆け上がっていく。(阪神担当・長友孝輔)

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