五回、塩見のゴロを必死の形相でつかむ藤浪。気合満点の6回0封だ(撮影・門井聡) (セ・リーグ、阪神3x-2ヤクルト、23回戦、阪神12勝10敗1分、4日、甲子園)威力ある直球と切れ味抜群の変化球のコンビネーションで打者をねじ伏せた。阪神・藤浪が完全復活を感じさせる投球で、来季へ希望の光を照らした。
「いい形というか、自分のペース、自分の配球で投げられた試合だったと思う。久しぶりの先発でしたけど、すごくよかったと思います」
意地と気迫でホームだけは踏ませなかった。三回は2死から3者連続四球で満塁としながらも、西田をこの日最速タイの157キロで見逃し三振。1-0の六回には村上に許した左中間二塁打から2死一、三塁のピンチを招いたが、最後は上田に対して、ど真ん中へ156キロで見逃し三振。雄たけびをあげた。
6回112球、4安打無失点。七回に2番手の岩崎が同点打を浴びて、1287日ぶりの甲子園での白星となる今季2勝目を逃したが、確かな手応えを口にした。「真っすぐもよかったけど(変化球も)両方使えたことで投球の幅が広がった。全体的に球種もバランスよく使えたのが、一番よかったところかなと」。
コロナ禍で9月25日に緊急昇格し、中継ぎでの登板を経て、「ブルペンデー」となった前回10月28日の中日戦(甲子園)に先発。オープナーという立場で4回1失点(自責0)と結果を残した。この試合で本格的に先発に復帰。矢野監督は「1個でも四球を少なくいくというのは課題としてあるけど、先発としてしっかりやってくれた」と評価した。残り4試合だが「もう一回いっていいと思っている」と、登板の可能性も示した。
「どうしても自分は速い球を投げがちなので。緩急をつけられたことがよかったかなと思う」と藤浪。シーズン最終盤で先発としての能力を再び示した。最後の登板機会があれば、全身全霊で今年の集大成をぶつけるだけ。そして必ず、2021年につなげる。(織原祥平)