自陣深くのスクラムからでも、キックで逃げるつもりはなかった。33-17で迎えた試合終了直前、明大は連続展開から抜け出したBKをNO・8松橋がフォロー。最後はゴールポストの真ん中にトライを決めた。
「1試合3トライは前にもやったことがありますが、慶大相手なので」 前半7分、後半23分と合わせたハットトリックの活躍に白い歯がこぼれた。
SO、WTBで活躍した就任2季目の丹羽政彦監督(46)は、明大の屋台骨といえる「重戦車FW」のスタイルに、「おしくらまんじゅうだけでは勝てませんから」と、BKでの勝負という進化を加えようとしている。前半2分の先制トライは慶大ゴール前でのFWの連続攻撃から、WTB成田がマーク。後半26分には自陣22メートル内から抜け出したSO田村がWTB梶村へキックを上げ、トライにつなげた。
それでも紫紺と白のFWには、故北島忠治監督の教え「前へ」のエキスが染み込んでいる。松橋の2本目のトライは相手ゴール前でのラックを強引に乗り越えるようにして押さえ、スタンドのオールドファンを「これがメイジだ」と喜ばせた。
「FWで圧倒しなければ勝てません」と松橋。2年ぶりの開幕5連勝で迎える16日の帝京大との全勝対決に勝てば、これも2年ぶりの対抗戦V。「重戦車」の真骨頂を見せつける。 (田中浩)