会見するGMOインターネットグループの熊谷正寿社長=東京都内(撮影・相川直輝) GMOインターネットグループの熊谷正寿社長(63)が2日、東京都内で不正アクセス問題を巡り会見を開いた。攻撃側に北朝鮮系のハッカー集団が関与しているとの報道については「捜査中で申し上げられない」と説明。2024年にシステムの脆弱(ぜいじゃく)性が指摘され、4度の緊急メンテナンスを行ったが、その後は対応せずに放置。担当者は「リスク分析に不足があった」などと述べた。
約3時間半に及ぶ会見にはグループの熊谷社長ら幹部5人が出席。事件を巡って初めて会見する熊谷社長は、「お客さまをお守りすることができず、申し訳ございませんでした」と約9秒、深々と頭を下げて謝罪した。
被害を受けたのは子会社が提供する外国為替証拠金取引(FX)のためのサービス「お名前.comデスクトップクラウド」。10月20日に2万6739件の不正アクセスが発生した。同21日に約80億円の身代金を要求されたが応じず、同27日に脅迫サイトに顧客とみられる1人分の個人情報が掲載された。
攻撃側には北朝鮮系のハッカー集団がいる可能性が浮上。熊谷社長は「捜査中で申し上げられない」と明言を避けたが、解析チームには「ICPO(国際刑事警察機構)の情報部門の担当だった者もいる」と調査には一定の自信を示した。
事件の全容解明に向けてサーバーや顧客のパソコンを解析中。攻撃側のシステム侵入は8月だったことが判明し、「犯人の情報は捜査機関に報告している」と説明した。
今回は安全管理なども焦点。2024年にグループのサイバーセキュリティーからシステムの脆弱性を指摘され、同年に4度の緊急メンテナンスをしたと明かした。
その後は指摘部分の再検討はせず、GMOインターネットの山下浩史副社長は「4回で(対応の)深さができたと思っていた」と説明。AIが急速に進化する中、「機能改善や利便性を追求したが、リスク分析に不足があった」と反省した。
「お客さまの笑顔のために(事業を)やってきた」と無念の涙もみせた熊谷社長。事件後は自身のXに笑顔の画像を掲載し「攻撃に屈せず、第2の被害者を出さないためのけん制が意図」と説明。一部の批判には「皆さまがお怒りになるのは当然でご迷惑をかけた。私の判断ミス」と謝罪した。(山内倫貴)
★脆弱性2年超放置「私の全責任…悔いております」
熊谷社長は脆弱性の指摘について「当時、私にエスカレーション(報告)がなく、この事件で知った。そのことは私の全責任で、悔いております」と反省。現在はグループのコミュニケーションに問題はないという。経営責任としては役員報酬の減額を発表。自身の進退は「撤退して後は任せたとは言えない」と責任を果たし、タイミングをみて一定期間の謹慎を明かした。顧客には一律5000円、情報流出時は最大300万円のお見舞金を用意すると明かした。