阪神が国内フリーエージェント(FA)権を行使すると表明したロッテ・小島和哉投手(30)の獲得へ、交渉解禁となる11日を見据えて準備を進めていくことが2日、分かった。セ・リーグ3連覇への補強ポイントのひとつである先発型左腕。チームとしては西勇輝以来で8年ぶりのFA選手獲得へ、抜かりなく動いていく。
FA申請期間5日目、ひとつのヤマが動いた。ロッテは通算59勝の小島が、国内FA権を行使すると発表。左投手をターゲットに調査を続けてきた阪神が、交渉解禁の11日からのアタックへ向けて、準備を進めていくことが分かった。
ロッテ・小島の年度別登板成績阪神・FA獲得選手FA選手を獲得した場合の旧球団への補償小島は浦和学院高、早大を経て2019年にドラフト3位でロッテに入団。1年目から先発ローテーションの一角を担い、21~25年は5年続けて規定投球回をクリアした。これまで172試合すべて先発登板で、3度の年間2桁勝利を含むNPB通算59勝をマーク。8年目の今季は6勝9敗にとどまったが、1000投球回に到達した。FAランクはBとみられる。また阪神の本拠地、甲子園球場では、浦和学院高2年時の選抜大会で優勝投手になった縁もある。
球団史上初のセ・リーグ連覇を達成した藤川虎。リーグ3連覇に向けて補強ポイントのひとつに挙がるのが、先発型左腕だ。高橋が16勝を挙げて沢村賞を受賞した一方で、それに続く大竹は7勝9敗、伊藤将は2勝3敗と負けが先行。2年目の伊原は開幕ローテーション入りして4勝するも、1軍に定着できなかった。
秦オーナーが10月のオーナー報告の席で、チームの課題のひとつに「選手層の厚さの不足」を挙げ、バックアップを約束していたが、先発陣全体を見ても、最多勝、勝率第1位の高橋、最優秀防御率の村上、最多奪三振の才木の3本柱と4番手以降には、大きな差がある。さらなる厚みを求め、同じく今季国内FA権を取得した左腕で兵庫・尼崎市出身の広島・床田らの調査を続けてきた中、小島がいちはやく、FA市場に飛び出してきた。
小島は球団を通じて「とても悩みました。自分のプロ野球生活に対する他球団からの評価を直接聞き、客観的に自分を見つめ直してみたいという思いが強くあり、今回の決断に至りました。残された自分の野球人生も充実した日々にできるようにしっかりと考え抜いた上で決断を行いたいと思います」と心境を明かした。
今季は阪神以外も複数球団が小島の登板をほぼ毎試合視察するなど調査を進めていた。左腕は「もちろん、これまでお世話になったマリーンズへの感謝の思いと愛着はとても強いです」とロッテ残留の可能性にも言及。揺れ動く30歳のハートを射抜くため、11日の交渉初日をにらみながら熱意をぶつける。
★オリックス・中川圭太も注視
阪神は今オフのFA戦線で、野手ではオリックス・中川の動向を注視している。主砲の佐藤がポスティングシステムで米大リーグ移籍を目指す中、勝負強く2023、25年にはシーズン12本塁打と長打力を兼ね備える右打者は補強ポイントに合致。内野手登録ながら25年は外野手部門でベストナインに輝いており、起用法も広がるユーティリティプレーヤーだ。FA権行使の意思を示している強肩捕手の楽天・太田らも調査している。
■小島 和哉(おじま・かずや) 1996(平成8)年7月7日生まれ、30歳。埼玉県出身。浦和学院高で1年夏から3季連続で甲子園大会に出場し、エースとして臨んだ2年春に優勝。早大を経て2019年にD3位でロッテ入団。1年目から開幕ローテーションに入り、23年からは3年連続で開幕投手を務めた。今季は20試合登板で6勝9敗、防御率3.53。通算172試合登板で59勝63敗、防御率3.60。年俸1億4500万円。178センチ、85キロ。左投げ左打ち。背番号「14」