野球愛を語る内外ゴム・土井正孝社長(撮影・阿部祐亮) ビジネスパーソンが虎党人生を振り返る「我が愛すべきタイガース」(不定期掲載)の第2回はゴム製品の老舗で軟式野球用ボール大手、内外ゴムの土井正孝社長(61)が登場。神戸市・中央区の同社本店で取材に応じ、甲子園で子供が応援する姿に感動を覚えることを語った。相手を思いやるキャッチボールの大切さを力説し、野球の普及振興活動へ尽力すると誓った。
メガホンを手にした子供たちが固唾をのんでグラウンドを見つめる。選手に届けとばかりに応援歌を一生懸命、歌う。目の前で繰り広げられている真剣勝負に夢中になれる。土井社長は「甲子園球場の雰囲気が好きなんですよ」と相好を崩す。
1964年に兵庫・西宮市で生まれ、阪神、阪急を応援。甲陽学院高時代は野球部に所属し「野球は教育的要素が多いスポーツ」と実感した。
「チームとして、個人として、という両面で機能しなければいけない」
少年少女野球にも尽力する中、最近の傾向として危惧することがある。
「昔はランナーが出たときだけサインが出ていた。今は一球一球、打者にサインが出る。指示待ちになってしまうことが多く、自分で考える機会が少なくなっているのではないでしょうか」
内外ゴム応接室には栗山英樹さんのサイン色紙が飾られているサインも細分化され、技術向上の一翼を担う一方で「野球を楽しむ」ことを忘れているような気がするという。土井社長が大切にしているのはキャッチボール。「相手を思うことができますし、自分でもどうやったらうまく投げられるかを考えます」。大きく外れた球を親が追いかける背中を見て「ごめん」と言う。これが大事だと訴える。同社では日本プロ野球選手会監修の下、キャッチボール専用球「ゆうボール」を販売し、野球競技人口の拡大に力を注ぐ。
「阪神ファンの数は日本一。強ければさらに盛り上がる。野球をやってみようかと1人でも2人でも子供たちが思ってくれるとうれしいですね」
胸にタイガースのバッジを付け、熱く語る。猛虎愛とともに、野球の明るい未来を願っている。(阿部祐亮)
■土井 正孝(どい・まさたか) 1964(昭和39)年6月11日生まれ、61歳。兵庫・西宮市出身。甲陽学院高から慶大を卒業し、2004年8月に内外ゴム入社。11年8月から代表取締役社長就任。