高知で行われた「『あんぱん』最終回を見る会」。左から、柳川強エグゼクティブ・ディレクター、松嶋菜々子、中園ミホさん(C)NHK 26日に最終回を迎えた2025年度前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」(27日は振り返りを放送)。ドラマの舞台となった高知県内で26日、NHK高知放送局主催による「『あんぱん』最終回を見る会」が開催された。同ドラマに出演した女優、松嶋菜々子(51)や脚本を担当した中園ミホさん(66)らがゲストとして登場。約1300人の来場者とともに最終回を鑑賞し、トークを繰り広げた。
「あんぱん」は女優、今田美桜(28)がヒロインを務め、国民的キャラクター「アンパンマン」を生んだ漫画家、やなせたかしさんと小松暢(のぶ)さん夫妻をモデルに、北村匠海(27)演じる柳井嵩と今田演じるのぶの2人が人生の荒波を乗り越え、アンパンマンを誕生させるまでを一部フィクションで描いた物語。やなせさんは高知県の出身。暢さんも幼いころ高知で暮らし、高知新聞での勤務時にやなせさんと出会うなどゆかりの深い土地だ。
会場の高知県立県民文化ホールで、来場者は嵩の母・登美子役を演じた松嶋や、脚本を担当した中園さん、チーフ演出を担当した柳川強エグゼクティブ・ディレクターらとともに物語のフィナーレを迎えた。
登壇した松嶋は、「登美子のストレートな発言は役柄として必要なもので、どのセリフも迷わず、気持ちよく言い切ることができました」と振り返る一方、強烈なキャラクターが話題となった登美子に、「登美子が毒舌をはかない場面では、少し物足りなさを感じることもありました」と笑う。
最終週の第126回(9月22日放送)では、登美子はのぶとのぶの母・羽多子(江口のりこ)と高知へ旅行へ行くシーンもあり、松嶋は「最終週まで登美子を演じることができて、本当にうれしかったです」とも語った。
中園さんは、最終回についてはやなせさんのエッセーの中で書かれている言葉をたくさんちりばめたと明かし、「のぶが新聞記者のインタビューに答えているシーンも、暢さんの言葉そのものです」という。そして「やなせ夫妻は、本当にドラマで演じられたような夫婦だったんじゃないかなと思っています」と想像をめぐらせる。
この作品に携わったことで「やなせたかしさんの作品は、みんなが知っている優しい言葉を使っていますが、この作品を描いてやっと言葉の奥にある深い感情が分かった気がしました」と話した。
柳川エグゼクティブ・ディレクターは、最終回に登場する、のぶと嵩が話す8分を超えるシーンについて「本番1回で撮りました」と明かす。芝居を固めるのが嫌で、リハーサルもしなかったというが、今田も北村も承諾。「本番1発勝負の方が、緊張感もあり、2人も1年間のぶと嵩として暮らしてきた思いもでてくるので、このような撮影にしました」と撮影秘話を語った。
★「『あんぱん』最終回を見る会」出演者のコメント
■松嶋菜々子(登美子役)
今田美桜さんには「1年間、本当にお疲れ様でした」という思いでいっぱいです。現場では、いつも明るく頼りがいのあるヒロインだったので、安心して見守っていました。
登美子のストレートな発言は役柄として必要なもので、どのセリフも迷わず、気持ちよく言い切ることができました。中園さんが描かれるキャラクターは、言いたいことをズバッと口にするはっきりした人物が多いので、登美子が毒舌をはかない場面では、少し物足りなさを感じることもありました(笑)。間違っていると思えばオブラートに包まず発言する点は、のぶさんとも重なる部分でしたし、嵩(北村匠海)が母親に似た人を好きになるという細やかな演出も、とても好きでした。最終週まで登美子を演じることができて、本当にうれしかったです。
■中園ミホさん(脚本)
最終回についてはやなせたかしさんのエッセーの中で書かれている言葉をたくさんちりばめていて、のぶが新聞記者のインタビューに答えているシーンも、暢さんの言葉そのものです。やなせ夫妻は、本当にドラマで演じられたような夫婦だったんじゃないかなと思っています。
やなせたかしさんの作品は、みんなが知っている優しい言葉を使っていますが、この作品を描いてやっと言葉の奥にある深い感情が分かった気がしました。「アンパンマン」が体現するメッセージは、全てやなせ哲学だと思っています。
この作品を見てくださった多くの人たちに知ってもらえたらと願っています。そして、ひとかけらのパンを待っている子供たちのことを考えていただけたらうれしいです。
■柳川強エグゼクティブ・ディレクター(チーフ演出)
高知の皆さんの熱狂を感じつつ最終回を見ることができました。いろんな想像力を最終回の最後の青空に託しました。高知で見ると、高知の空にアンパンマンが飛んでいる感じがしました。
のぶと嵩が話す8分を超えるシーンに関しては、本番1回で撮りました。芝居を固めるのが嫌で、リハーサルもしませんでしたが、今田美桜さんと北村匠海さんと相談したところ、お二人とも「リハーサルはなしでいい」ということでした。本番1発勝負の方が、緊張感もあり、2人も1年間のぶと嵩として暮らしてきた思いもでてくるので、このような撮影にしました。