ひと回り上の先輩とのバッテリーはかけがえのない財産へと変わった。プロ2年目を迎えた阪神・町田隼乙捕手(23)が、経験豊富な西勇輝投手(35)とタッグを組んで臨んだ試合を振り返った。
「本当にいろいろなことを勉強させてもらいました。特に投手に対しての声かけは意識するようになりましたね」
2月の春季キャンプ中から行動を共にすることが多かった。ファーム・リーグでは西勇が先発した4試合すべてでスタメンマスク。バッテリーを組むたびに、町田自身もかけがえのない経験を積むことができた。
「西(勇)さんの方から『若手ピッチャーだと思って声かけしてきて』と一回言われたことがあって。ピンチのときにマウンドに行っても自分から意見が言えるような環境を作ってくれた」
年齢も実績も雲の上のような存在。それでも、右腕は後輩の意見がいいやすい環境をつくった。だからこそ、町田自身もより準備をしなければいけない。相手打者のデータ分析、そしてマスク越しに感じるその日ごとの状態や雰囲気。アンテナを細部まで張り巡らせた。
「自分の意見を言うことで投手も意見を言ってくれる。それをするためには準備をもっとしないといけない。集めていた情報と違ったりとかしたらそれも踏まえて。引き出しを多く持つようには意識しています」
どんなときでも前向きな西勇からは切り替えの早さも学んだ。「試合中、例えば僕がミスをしたらすぐに切り替えられるような声かけもしてもらえた。そういうのを逆に僕がピッチャーにやらないといけないなと思っています」。西勇から町田へと伝授された経験。それは町田がバッテリーを組む若虎投手陣へと伝わっていく。
「いまは試合も出られて週一とか、一週間出られないこともあるのでとにかく試合に出ることがテーマです。少ないチャンスなのでその一日でアピールしたい。練習あるのみです」
前向きにひたむきに。多くを学ばせてもらった先輩と、次は1軍の舞台でバッテリーを組むために、町田は日々グラウンドで汗を流していく。(原田遼太郎)
■町田 隼乙(まちだ・はやと)2003(平成15)年4月3日生まれ、23歳。神奈川県出身。大根小3年時に秦野ドリームスで野球を始め、大根中時代は平塚ボーイズに所属。光明学園相模原高では甲子園出場なし。22年にBCL・埼玉に入団して1年目から正捕手を務め、23、24年はベストナインを受賞。23年から2年連続で阪神の春季2軍キャンプにブルペン捕手として参加。25年ドラフト4位で阪神入団。年俸730万円。右投げ右打ち。186センチ、86キロ。背番号「43」