六回、二ゴロで三走をかえした阪神・坂本誠志郎=豊橋市民球場(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、中日-阪神、7回戦、14日、豊橋)一年に一度の豊橋の舞台で昨季以来、阪神の1番に座った森下翔太外野手(23)が気を吐いた。
「外野手もなかなか争いがあるので、頑張っていきたいと思います」
井上の起用などで12日のDeNA戦(横浜)で今季初めて出場がなく、この一戦を前に意気込んでいた。先発・高橋宏から一回は11打席ぶりとなる中前打。第2打席は左前打で4日の巨人戦(東京ドーム)以来となるマルチ安打を記録し、チャンスを作った。
豊橋で初戦を迎える中日との3連戦を前に、岡田監督は「3番とかあんまりコロコロ変えたないからなあ、やっぱりな」と〝3番問題〟に頭を悩ませていた。13日時点で今季の先発打順別で3番は打率・206。チーム最多27試合の森下に加え、近本、ノイジーらが試されてきたが、結果は振るわなかった。「本当は一発よりも率やで、3番は。後ろにつなげばいいわけやからな」と話していた指揮官は、この試合で打率チームトップの近本を2戦続けて3番で起用。1番には森下を置いた。
セ・リーグはこの日の全3試合が富山、松山、豊橋で開催される〝地方球場デー〟。両翼93メートル、中堅115メートルの豊橋市民球場には、試合前のフリー打撃で中堅方向から強い風が吹き、木々の奥へ消えて外周の公園を襲う〝場外弾〟を阻んだ。座席のない外野スタンドは中日の応援グッズだけでなくブルーシートでも青く染まった。陽が沈んだ後はスコアボードだけが浮かび上がるようにくっきり照らされ、独特の雰囲気を作った。
五回まで得点がなかったが、0―1の六回に好機を作る。先頭の近本が四球で出塁し、1死から佐藤輝が中堅へ二塁打を放って二、三塁。ここで昨季の高橋宏との対戦打率・500(6打数3安打)の前川が放った打球は一塁へ。三走の近本が迷わず本塁を目指し、間一髪で捕手のタッチをかわす高速スライディングで同点に追い付く。さらに一、三塁で坂本の二ゴロの間にもう1点を加え、逆転に成功した。(邨田直人)