試合前にはサプライズがあった。「金本大監督おらんか?」。国鉄と巨人で歴代最多の400勝をあげた大投手、金田正一氏(83)が阪神ベンチを訪問。名球会の先輩の訪問に監督室から飛び出し、頭を下げた。金田氏はかわいい後輩を「健康優良児。いいチームになった。観客動員数をみても阪神がヘタをしたらダメ。(球界を引っ張るのは)すごくいいこと」と励ました。元ロッテ監督は阪神優勝の条件として「楽天みたいにお金をドーンと積んで外国人を獲ればいい」と緊急提言。大御所の心配をヨソに最終的にはダブルスコアの圧勝だ。
2005年の日本シリーズで大敗し、4連敗。昨季は5割からこのカードで3連敗を喫し、借金生活に転落した。苦い思い出が多い幕張だが、金本監督は「俺は大逆転したときのことが一番印象に残っているよ」と笑う。2007年6月16日。2-7だった九回に一挙9点で逆転し、幕張の奇跡と呼ばれたゲームだ。この日も俊介、梅野の8、9番で計7打点。猛打爆発の虎祭り-。プラス思考がドラマ再演の源泉だ。
福留、糸井、鳥谷と役者が仕事をし、脇役も穴を埋める以上の活躍をした。五回終了時に彩った花火のように。どっかんどっかん、最高のスタートや!! (阿部祐亮)