巨人の宮崎秋季キャンプが5日にスタート。高橋由伸監督(41)は、長嶋茂雄終身名誉監督(80)が推奨していることが分かった「ユニークなトレーニング」をさっそく導入した。その名は「ケンカボール」。投手陣のフィールディング技術向上へ、尾花高夫投手コーチ(59)がPL学園高時代に行っていた練習法がとり入れられた。
汗をぬぐう間もない。早いテンポのボール回しを求められる「ケンカボール」に、全員が集中していた。発案者の尾花投手コーチが熱弁した。
「PL時代からそう呼んでいた。厳しくなってくると、だんだんけんか腰になる。足を使って、スナップスローで正確に投げる練習。昔はこれができないと守備もやらせてもらえなかったんだ」
練習場所はマウンド後方。投手9人が一塁側から三塁側まで扇形に広がり、半円の中心にいる投手1人が、一塁側の相手から順番に素早くボールを投げ合う。タイムを計り、途中でミスをすれば最初からやり直し。今季、巨人投手陣の失策数は「4」だが、さらなる守備力向上を目指す。
高校や大学などで行われている練習法だが、「ケンカボール」の名は知らない選手が多数。石見智翠館高→日大と歩んできた戸根は「メニューを見て『何だろう、この練習は』と思いました」と苦笑い。PL学園高出身の内野手、吉川大も知らなかった。
こうした練習の採用は、今キャンプのテーマのひとつ。実は9月に行われた球団の役員会で、長嶋終身名誉監督が「ユニークな練習をどんどんやりなさい」と助言していた。さっそく導入した高橋監督は慶大時代から「ケンカボール」を知っており、「基本だし、投げた後は野手になるから、自分を助けることになる」と重要性を説いた。練習は初日から約10時間に及んだ。V奪回へ、積極的にアイデアを盛り込む由伸流が表れた。 (谷川直之)
「握りかえが難しかった。ケンカボールと聞いて、何をするんかなと思っていました」