最高気温は31度に達した。吹き出る汗を飛び散らせながら、バットを振った。約1時間30分の甲子園指名練習後。野手では最後にベンチ裏に姿を現した伊藤隼がレギュラー獲りの誓いを立てた。その表情には鬼気迫るものがあった。
「大和さんがこういう状況でチーム的にも、穴を埋めないといけないし、自分にとってはチャンス。つかみたいし、つかんで放さないぞ!! という気持ちは強い」
正中堅手の大和が左脇腹を痛め、26日に出場選手登録を抹消された。チームにとっては一大事。とはいえ、プロの世界は弱肉強食が原則だ。大和が離脱後、2試合続けて、中堅で先発出場している男の目の色は変わっていた。
これも、何かの縁だ。29日のヤクルト戦からは甲子園球場生誕90周年を記念した緑の特別ユニホームを身にまとう「ウル虎の夏2014」が始まる。くしくも、隼太の名前は父・成人さんが「長男(幸太さん)がウルトラマンのビデオを見て『ハヤタ隊員の名前がいい』と言ったので」という理由で命名。まさに、背番号「51」が変身するためにあるような6連戦だ。ドラ1がついにシュワッチ!! と飛び立つか-。高校球児に聖地を明け渡すまでが、ひとつの山場だ。