試合を終え抱き合う中谷潤人(左)、井上尚弥 =東京ドーム(撮影・萩原悠久人) プロボクシングのダブル世界タイトルマッチが2日、東京ドームで行われた。メインイベントの4団体世界スーパーバンタム級タイトルマッチは、4団体統一王者の井上尚弥(33)=大橋=が挑戦者でWBA、WBC、WBO1位、IBF3位の中谷潤人(28)=M・T=に12回3-0判定勝ち。自身の持つ男子史上最多記録を更新する7度目の4団体王座同時防衛に成功した。
試合詳細は以下の通り。
| 井上 尚弥 |
R |
中谷 潤人 |
| ペラヨ | カイズ | モーリー |
- |
モーリー | カイズ | ペラヨ |
| 10 | 10 | 10 | 1 | 9 | 9 | 9 |
| 10 | 10 | 10 | 2 | 9 | 9 | 9 |
| 10 | 10 | 10 | 3 | 9 | 9 | 9 |
| 10 | 10 | 10 | 4 | 9 | 9 | 9 |
| 9 | 9 | 10 | 5 | 9 | 10 | 10 |
| 9 | 9 | 10 | 6 | 9 | 10 | 10 |
| 10 | 9 | 10 | 7 | 9 | 10 | 9 |
| 9 | 9 | 9 | 8 | 10 | 10 | 10 |
| 10 | 10 | 9 | 9 | 10 | 9 | 9 |
| 9 | 9 | 9 | 10 | 10 | 10 | 10 |
| 10 | 10 | 10 | 11 | 9 | 9 | 9 |
| 10 | 10 | 9 | 12 | 10 | 9 | 9 |
| 116 | 115 | 116 | 計 | 112 | 113 | 112 |
【1回】
サウスポーの中谷潤人が長い右ジャブで牽制し、井上尚弥が鋭い踏み込みでプレッシャーをかける緊張感溢れる立ち上がり。中谷のリーチを活かす。井上も即座にボディへの右ストレートを返し、互いの技術とスピードが火花を散らす。両者一歩も引かない、息詰まるようなハイレベルな攻防で幕を開けた。
【2回】
井上尚弥が圧倒的な足の速さと鋭い踏み込みでプレッシャーを強める。井上の右ボディに対し、中谷が完璧なタイミングで左のカウンターを狙う。距離を保つ中谷。井上はすばやく中に入り込む展開だ。
【3回】
井上尚弥が持ち前のダッキングとスウェーで中谷潤人の攻撃を紙一重で回避し、卓越した防御技術を披露。中谷の長いリーチに対し、井上は一気に距離を詰め右クロスを叩き込むなど重圧をかけ続ける。一瞬の隙も許されない緊迫した攻防が続いている。
【4回】
井上尚弥が鋭い右ストレートを叩き込めば、中谷潤人も左のカウンターを合わせる緊迫した展開。中谷がリーチで突き放すも、井上は一瞬の隙を突いて飛び込む。互いのボクシングIQが激突し、一打必倒の緊張感がリングを支配している。
【5回】
一瞬の油断が命取りになる極限の集中力がリングを支配している。中谷潤人がリーチを活かして刺すようなパンチを狙うが、井上尚弥はさらに踏み込みを強め、的確な右をヒットさせるなど圧力を強める。こうした緊迫した状況下で、まさに「拳で会話する」ようなハイレベルな技術が交錯するラウンドとなった。
【6回~7回】
井上がスピーディーな攻めを徹底する一方で、中谷もカウンターの左を王者の顔面にヒットさせ、一歩も引かない。ラウンド終盤、井上の強烈な右ストレートが中谷を強襲した。お互い徐々に攻撃が当たり始める。
【8回】
前へ出る中谷潤人がクリーンな左をヒットさせ、打ち合いが展開される。井上尚弥はボディや右ストレートで応戦し、中谷のパンチを被弾してもなお不敵な笑みを浮かべるなど、王者の貫禄を見せる。中盤以降、井上の強烈な右が中谷を捉えてプレッシャーをかけるが、中谷も鋭い左カウンターで食い下がり、一歩も引かない。
【9回】
中谷潤人がプレッシャーを強める。中盤、井上の強烈な右ストレートが中谷の顔面を捉える。中谷も鋭いカウンターで応戦。打ち合いが本格的になり、井上の左目付近が腫れ始める。
【10回】
井上尚弥が序盤からプレッシャーを強める中、偶発的なバッティングにより中谷潤人が眉間をカットし、ドクターチェックが行われる。試合再開後、井上が鋭い右ストレートをクリーンヒットさせ、中谷をロープ際に追い詰める。中谷も出血に見舞われながら執念の左カウンターを繰り出し、王者の猛攻に真っ向から立ち向かう。井上の卓越したディフェンスと、中谷の突き刺すような打撃が交錯する。
【11回】
井上も一歩も引かず、至近距離での激しい打ち合いの中で的確なアッパーを中谷に叩き込む。中谷が左目付近から出血し、勢いが止まる。左目を気にする中谷。井上のラウンドになる。
【12回】
左目を気にする中谷。井上は攻勢を強めた。終了のゴングが鳴り響くと、死闘を演じきった両雄は熱く抱き合い、互いの健闘を称え合った。ボクシング史に刻まれる世紀の一戦は、12回の死闘の末、判定3-0で王者の井上が勝利した。