3-0判定勝ちの井上拓真(右)=東京ドーム(撮影・萩原悠久人) プロボクシング・ダブル世界タイトルマッチ(2日、東京ドーム)WBC世界バンタム級タイトルマッチは、王者の井上拓真(30)=大橋=が挑戦者で同級4位の井岡一翔(37)=志成=に12回3-0判定勝ちし、初防衛に成功した。2回、3回と2度のダウンを奪った。拓真は4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(33)=大橋=の弟で、2025年11月24日の同級王座決定戦で那須川天心(27)=帝拳=に12回判定勝ちし、王者となっていた。井岡は日本男子初の5階級制覇を逃した。
王者だが、挑戦者の心持ちでぶつかった。注目の日本人対決となった一戦で、井上拓真がプロ38戦目となった37歳の井岡に勝ち、初防衛に成功した。
3R、2度目のダウンを奪う井上拓真=東京ドーム(撮影・蔵賢斗)「レジェンドに挑む今回、いろんな意味で気持ちが高ぶっている」
試合前に拓真がそう話していたように、気持ちが表れたファイトとなった。所属する大橋ジムの大橋秀行会長も「(対戦相手が)天心、井岡。2人続けてビッグネームじゃないですか。やりがいがありますよね」と見守った。大観衆が詰めかけた東京ドームのリングで、ハイレベルな技術戦を制した。井岡は日本選手相手に初黒星となった。
拓真は2年前の10月、堤聖也に敗れてWBA世界バンタム級王座を失い、一時は引退が頭をよぎった。約1カ後に再起を決め、昨年11月に那須川天心とのWBC世界バンタム級王座決定戦で判定勝ちし、返り咲き。元人気キックボクサーの那須川に続き、レジェンドの井岡を打ち砕き、〝拓真ここにあり〟を示した。
大橋ジムとしては2012年6月にWBA世界ミニマム級王者だった八重樫東(現大橋ジムトレーナー)がWBC同級王者・井岡に2団体王座統一戦で熱戦の末、判定負けして以来の〝井岡戦〟だった。当時、拓真は高校2年生。「印象深く覚えている」といい「まさか(自分が井岡と対戦するとは)」。14年の時を経て、たくましくなった30歳が〝仇討ち〟した。
次戦は指名試合で、先月に再起戦で勝利した那須川との再戦が濃厚だ。かつて兄の尚弥や中谷潤人が主戦場にし、いまもタレントぞろいのバンタム級を拓真が引っ張る。(石井文敏)