シート打撃で快音を鳴らす井坪。神宮への思いを語った(撮影・榎本雅弘) 阪神の話題の事象をさまざまな角度から深く掘り下げる「虎博覧会」(不定期掲載)。今回は高卒3年目・井坪陽生外野手(20)が登場。19日の中日戦(京セラ)で1軍初昇格&即スタメン。初打席で初ヒットをマークした若虎は、22日のヤクルト戦(神宮)で地元凱旋を果たす。関東第一高時代、酸いも甘いも味わった神宮の杜への思いを明かした。(取材構成・原田遼太郎)
関東一高時代の井坪。高校球界屈指のスラッガーだったプロ野球選手として、井坪が神宮の杜に帰ってくる。この場所で喜びも悔しさも味わった。高卒3年目の若虎は、3年前の〝最後の夏〟を振り返った。
「他の球場に比べたら慣れている場所ですね。でも、負けた場所なのでそっちの方が強いです」
2022年の夏の甲子園東東京大会。関東第一高の主力として、神宮で4試合を戦った。初戦となった目黒学院高戦では、初打席で左翼席上段へと運ぶ高校通算31号。自身の神宮初アーチでチームの勝利を導くと、5回戦の共栄学園高戦でもソロを放って8強入り。しかし、準々決勝で敗れ、涙で高校野球を終えた。
それから23年のドラフト3位で阪神に入団。独特な打撃フォームから繰り出す天才的な打撃でウエスタン・リーグで着実に結果を残してきた。そして、19日の中日戦(京セラ)で念願の1軍初昇格。「8番・中堅」で昇格即スタメン出場すると、二回の第1打席。三塁へのボテボテの打球を放つと、全力疾走で内野安打をもぎ取った。
首位独走のチームに加わった〝ラッキーボーイ〟はこの日、地元・東京入り。高校時代に慣れ親しんだ神宮でヤクルト戦に臨む。「感慨深さはもちろんありますよ」。神宮には両親、そして関東一高でともに白球を追った友人も観戦に訪れる予定。凱旋試合に向け、若虎は意気込んだ。