延長十回、阪神・大山悠輔が勝ち越しの左越え本塁打を放った(撮影・荒木孝雄) (セ・リーグ、DeNA2-3阪神=延長十回、5回戦、2勝2敗1分、23日、横浜)待ってたでー!! 阪神は3―2でDeNAに競り勝って今季2度目の3連勝。貯金を藤川虎で最多の3とした。延長十回に大山悠輔内野手(30)が今季1号ソロを左翼席にほうり込んだ。プロ9年目で開幕から最も遅い85打席目での一発。シーズン20試合目の節目でようやく目覚めた大砲が、ここからチームをさらに加速させる。
待望の放物線が、試合を決める1点を刻んだ。迷惑をかけてきたからこそ、そのひと振りに力がこもる。大事な場面で仕事を果たすことが、虎の背番号3の使命―。大山は左翼席に白球が消えたのを確認し、今季初めて、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。
「本当にうれしいですし、チームが勝ってよかった。ここまでチームのみんなに助けられてきました。ここで何とか、今度は自分がチームを助ける番になりたいと思っていたので、その一打が打ててよかった。試合が終わったときの歓声が、やっぱり一番でした」
2―2で迎えた延長十回、1死で大山が打席へ入る。カウント3―2となっても、狙いを絞っていた。6球目の直球を仕留めた。この日まで17打席の対戦で1本も安打を放っていなかった山崎から、初めての安打は値千金の一発。ベンチに戻るとこれまで助けてくれた仲間たちにたたえられ、満面の笑みを浮かべた。
「しっかり狙い球というかそこまでの話し合いもできて、塁に出ることが最優先の中で自分のスイングができた。準備していたものが出せたので、準備の大切さを改めて感じた打席だった」
開幕20試合目にして、やっと架けた放物線。85打席目でのシーズン初本塁打は、プロ9年のキャリアで最遅だった。
15日から19日にかけては14打席無安打。「自分がすべて止めてしまっている」と反省の弁を口にした日も、試合後に約1時間バットを振り込んでクラブハウスに引き揚げた日もあった。その悔しさを忘れず、最高の形で晴らしてみせた。だが、大山にとって1号など通過点。「一日一日なので。チームが勝つことが一番ですし、その力にきょうはなれてよかった」と息をつき、また次の打席に向けての準備を進めていく。