プロ初登板で初勝利をつかんだ常広。チームの連敗も「6」で止めた (セ・リーグ、広島10-2DeNA、23回戦、広島14勝9敗、15日、マツダ)異例の1軍デビュー戦で輝きを放った。優勝を争うシーズン最終盤に広島のドラフト1位・常広(青学大)がプロ初登板勝利。真っ赤に染まるマツダスタジアムでウイニングボールを手にすると照れ笑いを浮かべた。
「最初は緊張した。序盤に先輩方が大量点を取ってくださったので自分らしく腕が振れた」
5回7安打1失点。一回2死二、三塁で宮崎を見逃し三振に仕留めピンチを切り抜けると、その裏に味方打線が4点を援護してくれた。その後も得点圏に走者を背負ったが、最速153キロの直球と落差のあるフォーク、さらには〝新球〟カットボールでDeNA打線をねじ伏せた。
球団のプロ初登板勝利は2017年4月7日のヤクルト戦(マツダ)の加藤(矢崎)以来7年ぶり。登板前に「おもしろいじゃん」、「素晴らしい経験になる」と〝新井節〟で抜てき理由を語っていた新井監督は「強力打線に対し逃げずに向かっていた。素晴らしいピッチング」と絶賛した。
常広は野球ができる喜びを感じている。幼少期、大分で一級建築士事務所を営む父・竜也さん(50)から説かれたのは「好きなことをやっていい。ただ、自分で一度、やると決めたら最後までやりなさい」。家業を継ぐよう促されたことは一度もない。大分舞鶴高、青学大でも学業との両立で忙しかったが弱音は吐かなかった。プロ入り後もコンディション不良を発症するなど試練が続いたが、初志貫徹でプロ1勝目を手にした。
チームの連敗も6で止めた。ヤクルトに勝った2位阪神とは2ゲーム差のままだが、頼もしい救世主となったルーキーは「次は6回、7回と投げたい」と力強く未来を見つめた。(柏村翔)