来季続投が決まった矢野監督。背水のシーズンとなる(撮影・水島啓輔) 阪神・矢野燿大監督(52)が9日、大阪市内の阪神電鉄本社を訪れ、藤原崇起オーナー兼球団社長(69)=電鉄本社会長=に2021年のシーズンを報告。続投要請を受諾し、来季も指揮をとることが決定した。1年契約とみられる。歴史的なV逸で総帥からは「勝負のシーズン」と位置づけられた。背水の就任4年目。勝つことだけが求められる。
ねぎらわれ、励まされて、もう一度背中を押された。もう一度だけ、としてしまうかは、すべて勝負の結果で問われる。藤原オーナーへの30分間の報告を終えた矢野監督は、まだ抜けきらない悔しさを来季へ向けようと、まなじりを決した。
「3年契約だからといって3年できると(思って)やってきたわけじゃない。一年一年、勝負だと僕自身取り組んできたので、来季も何年もあると思ってやるわけではない」
9月16日に続投要請を受けたときには、2位ヤクルトに2・5ゲーム差をつけ1位だった。激闘があった。誰もが落胆した。3年契約の最終年も矢野虎は頂点に届かず、クライマックスシリーズ(CS)でも巨人にファーストステージで敗退。「俺らの野球とかタイガースの野球を形にできなかった。その悔しさはやっぱり一年一年募る。それを形にしていく」。4年目が正式決定。1年契約とみられる。同席した谷本副社長の言葉からも、来季を強く意識する総帥の熱量が伝わった。
「オーナーの方から、矢野監督に『2022年、勝負のシーズンの指揮を執っていただくことをお願いしたい』ということで、矢野監督にはお受けいただいた。われわれスタッフも、来季勝負の年の矢野阪神を全力で支えていくということをあらためて誓いました」
悔しさを晴らす来季になる。だが、そこにあえて「勝負のシーズン」が付け加えられた。勝負を制すること、勝負を懸けることだけを求められたに他ならない。育てながら勝つを体現し、19年の就任から「3位、2位、2位」とAクラスで戦い続けてきた矢野監督だったが、この総帥からの異例ハッパには「優勝」のみでしか応えられない。