大木に育てたい木は、すぐに実をつけスクスクと伸びる。北條という名の秋の大収穫に、金本監督が今度は「20発打法」を伝授した。打球を変えるのは肘の使い方だ。
「しっかり肘を入れて(バットを)しならせる。ムチのように。(北條と高山は)12、13(発)は打てると思うね、俺は。将来的に15から20は、いけると思う」
太陽が高く昇った午後1時すぎ。最初の組でフリー打撃を終えた背番号「2」をつかまえると、一塁ベンチ前へ連れていった。そのまま約30分間も面と向かって肘の使い方をレクチャー。ノックバットを手に、体に巻きつくような鋭いスイングの手本を繰り返した。
指揮官は現役時代、自ら乳首打法と命名したのが、右打者なら右肘が右の乳首にぶつかるくらい肘を入れる打法。スラッガーに共通する肘の使い方だ。何度も言葉を交わし、最後は「わかったか、りゅうちぇる(北條)!!」とイジり、スタンドがドッと湧いた。
北條も自分のものにしようと必死だ。「右肘をたたむというか、腹筋の方にもっていく。ヘッドが効くし、ドアスイングだと(バットの)しなりが使えなくなるので。衝突だけの力になってしまう。押し込みができる」と早くも手応えを得た。