2018年8月23日の試合前に、松坂(左)と握手して言葉を交わす藤川氏 今季限りで現役を引退した選手が裏話を明かすオフ企画。第3回は、日米通算245セーブを挙げた藤川球児さん(40)=前阪神=の登場です。言わずと知れた松坂世代の一人。親友であり、目標でもあった西武・松坂大輔投手(40)の姿に刺激を受け、マウンドに立ち続けた現役生活22年の舞台裏を明かします。 (取材構成・三木建次)
同級生の距離がグッと近くなったのは、2005年、藤川さんがセットアッパーで活躍するようになってからだ。松坂は高卒1年目の1999年にいきなり16勝を挙げるなど、すでに日本を代表する投手になっていた。
「2軍生活が長かった若いときは、雲の上の上の存在でしたね。でも、いつかは…と。松坂に『ついていきたい』という思いがあったから、僕は頑張れた」
松坂が「平成の怪物」なら、藤川さんの代名詞は「火の玉ストレート」。打者の手元で浮き上がる直球は、投球フォームを見直し、修正に修正を重ねて完成させた。クローザーとして文句なしの実績を残すと、松坂の後を追うように米大リーグに挑戦。けがで傷心の帰国にはなったが「お互いに、右肘のトミー・ジョン手術を受けて」(藤川さん)2人の関係は、さらに親密になった。
シーズン中は電話で、オフには食事をともにして、互いの近況報告や野球談議に花を咲かせるのが恒例行事だった。今年の春季キャンプ直前には、藤川さんは松坂との食事会に後輩たちを招待していた。「僕を目標にしているようではダメ」。日米通算170勝を挙げた松坂に頼んで、プロの心得や体作り、変化球の投げ方など、球団の垣根を越えて講義をしてもらった。