リーグ戦再開前日の練習でバットを振り込むヤクルト・塩見泰隆=神宮球場(撮影・長尾みなみ) プロ野球は交流戦が終わり、19日にセ・パ両リーグ内の対戦が再開する。活躍が期待される選手に迫る「キーマンを直撃」の最終回は、ヤクルト・塩見泰隆外野手(33)。2度にわたる左膝の大けがを乗り越え、5月30日の楽天戦(楽天モバイル)で復活を遂げた背番号9が、池山隆寛監督(60)との絆や今季にかける思いなどを打ち明けた。(取材構成・武田千怜)
--左膝の大けがを乗り越え、5月30日の楽天戦で1軍に帰ってきた
「(リーグ連覇した)2021、22年に試合に出ていたときよりも、すごく緊張するな、というのが率直な気持ち。2年間も(1軍から)遠ざかっているから舞い上がっているところもあると思う。試合を消化していけば、おのずと慣れてくるんじゃないかなと思っています」
--復帰戦で2安打2打点。749日ぶりの安打、754日ぶりの打点を記録したが、表情を変えず、冷静に見えた
「あまり僕はウェイと(大げさに)喜ぶ習慣がそもそもないですからね。でも、あの(復帰後初安打の)ツーベースは(心に)染みていた。『打ったぁ、打ったぁ』と内心では思っていました」
池山隆寛監督(右)は2軍監督時代から明るく接してくれたという--「野球をやめよう」と引退が頭によぎるほどの苦悩を味わった。長いリハビリを経て、たどり着いた舞台。泣きそうになる瞬間は
「ありました。でも、そのポイントが謎だったんです。(5番・右翼で)初回は打席が回ってこなくて。守備に就こうと走り出したときに泣きそうになりました。1軍のグラウンド、試合に入っていく景色にグッときた。泣いてはいませんよ(笑)」
--ここまで11試合の出場で打率・258、2本塁打、5打点
「今の数字だと、前だったら焦っていたと思うけど、そこまで焦っていない。ちょっと大人になったのかな。もちろんもっと打たなきゃ、と打席の内容も追い求めているけど、それよりもグラウンドに出続けられることが、今のところは大きいかなと感じています」
--リードオフマンとして連覇を支えた21、22年と役割の変化は
「21、22年は、自分を出してアピールしていかないといけないと思っていたので、自分、自分というような感じだった。成績を残さないと弾かれてしまう世界なので、今も自分の成績は大事ですけど、前よりも〝チームのため〟という思いは強くなったと思います」
--池山監督の存在は
「僕だけ朝のあいさつが『おはようございます』ではなく、馬ポーズ(笑)。『おはようございます』というと、馬ポーズで返ってきます」
--昨季まで6年間2軍で指揮を執った池山監督とは、ファームでともに過ごす時間も長かった
「23年にちょっとしたけがをしたときは『ここにいるべき選手じゃない。早く治して1軍に行きなさい』とハッパをかけてくれた。(大けがを負った)24、25年は落ち込んでいると、『いい膝のサポーターがある』と僕のことを考えて器具を持ってきてくれた。いつも明るく接してくれたので、救われています」