もう、この日の取材がすべて終わったかのような満喫しきった表情で萩原は戻ってきた。メロメロ。はずんでいた。
あいみょん取材を希望しなかったトラ番の一番年下・秋葉元がさめた表情で先輩・萩原を眺めていた。特にファンでもないらしい。クールさがこの男のウリだ。
1・5ゲーム差で迎えた虎とツバメの今季最初の対戦。本来なら首位攻防の話になるべきだが、ツバメが失策だらけでトラが圧勝。始球式のあいみょんと、7年ぶりに復活したジェット風船のほうが盛り上がったかも。
「7年前といえば、高校2年生になったばかりの頃です。しかも、甲子園で風船が飛び交っていたことは、つい最近まで知らなかったです」
山形のクールなサッカー少年だった秋葉は、遠く関西の地で、野球の試合中に風船が乱舞していたことなど、全く知らなかった。そもそも野球にそれほど興味がなかった。まあ、そういうトラ番がいたっていい。
一方の萩原は、すべてに秋葉の正反対だ。
「子供の頃から、スタンドで風船を飛ばしていました。というよりも、僕、甲子園球場でアルバイトをしていて、その時に、七回裏攻撃前にグラウンドに入って、地面に落ちた風船を拾う仕事もしていたんですよ」
ということで、舞い上がる風船にも感動していた萩原だった。
ジェット風船にも歴史あり。かつて「1個50円として、いま、200万円が空を飛んでいます」と迷言を発したのが野球解説者・板東英二さんだった。
今回復活して、ジェット風船2本とポンプのセットで700円。風船だけ4本は400円。さあ、ことし1年でいくら、甲子園の上空を飛び交うんだろう? いやいや復活記念日だ。お金の話はまた、いつか-。