選手会幹部が正式な会議で初めて言及した「1軍のリーグ改編案」。エクスパンションの上での改編という趣旨が強調されましたが、議論の中では2軍が1リーグ3地区制に移行するのだから、この際1軍も現在のセ・パを解体。12球団を3地区4球団に振り分けるか、3地区5球団ずつの15球団制や、さらに増やして4地区16球団制に拡張-という方法論も話題に上がったもようです。
確かに2軍だけが来季から再編されるのに、1軍の2リーグ制は手付かずのままというのも、見方によってはどうなのだろうといえるかもしれません。一つの案がセ・パを解体し、①東地区を日本ハム、楽天、ロッテ、ヤクルト②中地区を巨人、DeNA、西武、中日③西地区を阪神、オリックス、広島、ソフトバンク-に分けるものです。各地区の優勝チームに加え、各地区2位のうち最高勝率のチームがポストシーズンに進出。4チームが準決勝(5回戦制)と決勝(7回戦制)を行って日本一を決める。こうすればリーグ3位からの日本一といった現状のクライマックスシリーズ(CS)でみられる「敗者復活戦」の色合いは薄れます。
1985年、日本一に輝いた阪神。翌年のルール変更がなければ…8月12日コラムの「阪神ファンは現状のCSルールを許せるのか? 独走Vでもファイナル突破の保証はない」で問題点を指摘しました。現状、セ・リーグは阪神が貯金を独り占めにし、2位巨人が借金1(52勝53敗3分け)、3位DeNAも借金2(50勝52敗5分け)です。もし、このままの状態でCSに突入し、レギュラーシーズンの借金チームがファイナルステージで阪神を破れば、こんな不条理なことはないでしょう。レギュラーシーズンの軽視も甚だしい。それでも今のCSは事実上の「敗者復活戦」ですから、文句は言えません。しかしセ・パ解体で3地区制にすれば、CSの不条理は今よりも解消されるはずです。
現状のセ・パ2リーグ制は1950年からです。長い歴史の重みを考えれば、あまりにも荒唐無稽かもしれませんが、55年に現状の形となったイースタン・リーグとウエスタン・リーグは今年限りで歴史に一区切りを付けます。どんな世界にも変革は付き物です。
阪神が圧倒的な強さで日本一になった85年。バース、掛布、岡田や真弓を要する強力打線は無双状態でした。それが、翌年は米大リーグ流の低めをとる「新ストライクゾーン」導入によって勢いをそがれました。投低打高の傾向を変える試みでしたが、明らかに阪神を狙い撃ちしたルール改定でした。阪神が強いとルールが変わる? 球界の水面下の動きから目が離せません。
■植村徹也(うえむら・てつや) サンケイスポーツ運動部記者として阪神を中心に取材。運動部長、編集局長、サンスポ代表補佐兼特別記者、産経新聞特別記者を経て特別客員記者。岡田彰布氏の15年ぶり阪神監督復帰をはじめ、阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。