7月20日、柏に競り勝ち喜ぶ鈴木(右から2人目)ら鹿島イレブン=メルスタ 【No Ball、No Life】梅雨も明け、日本列島は夏本番。Jリーグでは選手、サポーターが全身から噴き出る汗を感じながら各地で熱戦を繰り広げている。7月20日には勝ち点44で首位の柏と、同3差で4位につけていた鹿島との上位直接対決が行われ、こちらも白熱の一戦となった。
前半5分にFWレオセアラの豪快な右足弾で先制した鹿島は、同39分にも約3年10カ月ぶりに日本代表に復帰したDF植田直通がヘディングで追加点。このまま前半終了と思われたが、柏も4分後、DF小屋松知哉の右足で1点を返した。
後半は柏の猛攻に対して鹿島の我慢の時間が続いた。11本のシュートを被弾したが、失点は1に抑えた。同37分にはPKを与えたものの、小屋松がこれを外したことで敗戦の危機を回避。逆に終盤、同代表DF古賀太陽のミスに乗じたMF松村優太の今季初得点が決勝点となり、勝ち点3を獲得した。上位直接対決で勝利し連敗を3でストップ。首位に躍り出た神戸と勝ち点2差の2位に浮上した。
7月20日、鹿島に敗れ肩を落とす柏イレブン=メルスタ長いシーズンを戦うJクラブは、その動向を大きく左右するターニングポイントというものを経験することがある。この一戦は鹿島と柏にとって今季の分岐点となり得る重要な試合であり、劇的な結末となった。
試合後、植田は「納得できない勝利だったが、勝ち切れたことが一番。2―2になってから『引き分けに終わるのか』と誰もが思ったと思うけど、勝てたことはすごく大きい。最後まで諦めなかったことがよかった」と本音を吐露。FW鈴木優磨も「勝ちたいという思いが(勝利を)引き寄せてくれた。『よく勝てた』と思うのが正直なところ。これからの試合は負けないではなく、勝ち切ることが大事。勝てたことは評価できる」と振り返った。
混沌(こんとん)とする優勝戦線。勝ち点1の積み上げはもちろんだが、一つの白星で情勢は一気に変わる。そのような中で苦しい戦いをものにした鹿島は、やはり地力があるといえるだろう。敗れた柏も下を向いてはいられない。この敗戦を次戦の勝利で拭いたいところ。リカルド・ロドリゲス監督は「このようなアクシデント的な敗戦はサッカーにはつきもの。難しい状況だったが、内容は相手を上回り素晴らしいプレーをしていた。私はこのチームを誇りに思う」と高評価。それだけの強さが柏にはあった。
伝統の勝負強さを発揮する鹿島とサポーターを魅了する攻撃サッカーの柏。ともに最後までリーグ戦を盛り上げてくれる存在となりそうだ。(一色伸裕)