六回、佐藤輝は一時同点とする左前打を放つ(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、中日5x-4阪神=延長十一回、4回戦、中日3勝1敗、30日、バンテリンD)快音を残し、打球はあっという間に左前で弾んだ。2つ目の単独トップに立った4月の締めくくりは痛恨のサヨナラ負け。佐藤輝は4番の自覚をにじませて、言葉少なに帰りのバスへと乗り込んだ。
「得点につながってよかったです。いい反応ができたと思います」
1-2で迎えた六回無死満塁の絶好機だった。祖父江の初球、135キロスライダーにバットを合わせた。外角球を逆らわずに左前へ。一時同点の一打に塁上で静かにうなずいた。
今季24打点とし、並んでいた巨人・岡本を置き去りにしてセ・リーグ単独トップに立った。岡本に2差をつける9本塁打と合わせて、単独2冠。まだ4月が終わったばかりとはいえ、球団としては1986年のバース以来となる本塁打王、2014年のゴメス以来となる打点王の戴冠へ、期待は膨らむばかりだ。
「チームが勝てばそれでいいんです」
セ界打撃2部門のトップに君臨するほど好調でも、口にするのは〝チームの勝利〟のことばかり。4月15日のヤクルト戦(松山)から託された打線の中心。虎の4番としての自覚と責任は日に日に増している。
どれだけ自分が打っても負けてしまっては意味がない。だから、9号ソロを放った前日29日の中日戦(バンテリンドーム)後も「もう一本ね、ランナーがいるときに出なかった」と敗戦の責を負った。この日も2冠で締めくくった4月の好調を問われても「まあまあ、いいんじゃないですか、それは別に」と多くを語らなかった。
延長十回2死で迎えた第5打席は左前打を放ち、4月22日のDeNA戦(横浜)以来、7試合ぶりにマルチ安打をマークした。〝ランナーがいるとき〟ではなかったが、4番・佐藤輝に〝もう一本〟が出たことは、これから始まる5月の戦いに向けてプラス材料といえる。
「頑張ります」
すべては虎の勝利のために-。5月も佐藤輝が猛虎打線の中心で暴れまわる。(原田遼太郎)