敗戦直後の阪神ベンチ。昇格したばかりの原口(94番)は唇をかんでいた (オープン戦、オリックス3-0阪神、22日、京セラ)阪神が京セラドームにやってきたのは「あの日」以来だった。「あの日」の対戦相手は、そう、オリックス。日本全国ウン千万人(?)の虎党が喜びを爆発させ、歓喜の涙を流した、38年ぶり日本一を決めた2023年11月5日以来のリーグチャンピオンが相まみえたオープン戦。「あの日」に触れないわけにはいかない。
マウンドに宮城。打席にノイジーとくれば日本一を一気にたぐり寄せた先制3ランだ。もう一度打て!と言われても、たぶん、ノイジーは打てないような、内角の難しい球だった。あの一撃のおかげか、ノイジーはタテジマに在籍している。
「あの日」を懐かしみながら試合を見ていたら、2人の最初の対決は空振り三振、見逃し三振、空振り三振。まあ、宮城って一流投手は、そう甘くない。隣でトラ番キャップ・新里公章がつぶやいた。
「あの日は、日本一に王手が掛かっていたので、朝から準備が大変でした。日本一用の原稿を山ほど書いて、胴上げの感動も味わう暇もなく、原稿を書きましたねぇ。ハイ、ボクがノイジーのVを呼んだ3ラン原稿の執筆者です」
ということは、さぞ、思い入れもあるだろうと尋ねてみたが、「いや、別に。あの日はトラ番サブキャップでしたが、今はトラ番キャップになったぐらいですかねぇ」とクールだった。
確かにトラ番キャップは昔話の感慨になど浸っている暇はない。オープン戦とはいえ、開幕が間近にせまり、最終チェック段階。選手の体調の確認作業から、デスクとの打ち合わせ、原稿の手配まで。ひっきりなしに電話して、メールを打ち込んで、話しかけるヒマすらない状態だった。