昔、三木が浜松へ取材にいったときのことだ。
浜松のうまいモノといえばウナギ、餃子。浜松駅近くにはそれぞれの名店が競うように並んでいる。おなかがすいた三木はある店の前に立った。
ショーウインドーを眺めること、数十秒。三木は立ち去った。
どこに行くのか。隣の吉野家に入っていった。
「うな重、ください」
確かに吉野家のうな重もおいしい。だけど…。
「迷ったんやけどなぁ、その有名な店、4000円ぐらいしたんや。吉野家やと3分の1や」
邨田から「せっかくなんだから高い店で食べたらよかったじゃないですか」と言われても倹約が「生きがい」らしく、決して首を縦に振らなかった。
甲子園の駐車場ではサブキャップの新里公章もそろばんを弾いていた。
「ハワイは相当、物価が高くなっているみたいなんですよ」
この日、新里に新しいパスポートが届いた。もちろん今月に予定されている阪神の優勝旅行に帯同するため。編集局の窓際に座っている虎ソナからすればうらやましい限りだが、この段階になって、新里はようやくパスポートを発行した。ギリギリすぎないか!?という言葉はしまっておいた。
「向こうではラーメン1杯を食べるにも2000円ぐらいするそうです。ビールも1杯1000円近いとか」。長く続く円安の影響もあるのだろう。「だから、レトルト食品をたくさん持っていこうかと思っています」。常夏特有の青空の下、ダイヤモンドヘッドを眺めながら、カレーライスに親子丼…。エライというか何というか…。