■11月27日 全5試合、延長戦を含む46イニングを投げ切ったその球数が772。2013年選抜大会で準優勝した済美(愛媛)のエース安楽智大の剛腕は珍しい名字とともに全国に知れ渡った。米メディアは「正気の沙汰ではない」と投球過多を批判したが、上甲正典監督は「肉体の限界を精神力で乗り越えた」と反論。賛否両論が渦巻いた。
15年にドラフト1位で楽天入り後は華々しい活躍はなく忘れかけていたら、なんと後輩へのパワハラで注目される事態になった。報道によると、複数選手の証言としてロッカールームで若手の下着を脱がせて陰部を露出させたり食事の誘いを断ると深夜にしつこく電話をかけてきたという。
球団が確認中だが、事実だとしたら何とも陰湿で27歳にもなって、まだそんないじめをやっているとは信じられない。かつて在籍した元選手は頭部を平手打ちされムチ打ち症状になったと証言している。プロ野球は年齢は関係ない実力の世界なのに理不尽がまかり通った昔の大学の体育会そのものだ。
本紙専属評論家の江本孟紀氏は言う。「昔のプロ野球は礼儀作法やマナーを先輩が教えシステムとしての上下関係が築かれていた。守れなければしごかれたが、いじめではなかった。いまは管理の目も行き届きパワハラなどないはずだが、今回は目が届かなかったか、それとも個人の資質の問題かもしれない」。
契約交渉は無期限延期、球団が来季も契約する権利を持つ保留者名簿から除外の可能性もある。WBC世界一に始まり阪神の38年ぶり日本一、井端ジャパンのアジア制覇と大いに盛り上がった今年のプロ野球だったが、最後にこの騒動。〝安楽〟には終わらなかった。(今村忠)