六回、左前へ安打を放つ阪神・中野拓夢=甲子園球場(撮影・宮沢宗士郎) (セ・リーグ、阪神2-7中日、25回戦、阪神15勝9敗1分、27日、甲子園)追いつかれても、振り切った。今季の甲子園最終戦。阪神・中野拓夢内野手(27)がセ界の安打王の座を死守し、虎党の大声援に応えた。
「(岡林に)先に打たれたので、なんとか打ちたいという気持ちはあったけど、そういう気持ちを出しすぎたらいい結果にならない。いつも通り、自分のバッティングをしようと思って打席に入れた結果がよかった」
最多安打のタイトルを争う中日・岡林に1本差をつけて迎えた〝直接対決〟。二回に岡林が右前適時打を放ち、トップに並ばれた。当然、意識しない方が難しい。それでも、心がけたのは平常心。六回の第3打席でメヒアの151キロ直球を左前へ運んだ。今季161安打で、岡林と再び1本差。3位のDeNA・牧も2本差に再接近してきたが、白熱の争いで首位をキープした。
「本当に大きな声援で力になりましたし、本当にたくさんの方々が、球場に足を運んでくれて、自分たちの背中を押してくれた。そのおかげで〝アレ〟できたと思っています」
コロナ禍での入団だった中野にとって、制限なく応援を受けるのは今季が初めてだった。打席や二塁の守備位置、どこにいても虎党の大歓声は鮮明に耳へと届く。うれしくて、気分も乗った。いつも心強い味方だった。
本拠地最終戦までスタンドを埋めつくしてくれたファンへ、恩返しと放った1本。次に甲子園を舞台として戦うのはクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージだ。虎のヒットメーカーは誓う。
「最後は勝って終わりたかったけど、CSを甲子園で戦えるわけなので、そこに向けてチームとしていい雰囲気の中で試合ができるようにやっていきたい」
また、あの大歓声が力をくれる。最多安打の冠を手に、中野は甲子園に帰ってくる。(原田遼太郎)