七回、左足に死球を受ける阪神・近本光司=甲子園球場。土井氏は体の開きを問題視した(撮影・宮沢宗士郎) (セ・リーグ、阪神2-7中日、25回戦、阪神15勝9敗1分、27日、甲子園)近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(79)は七回に死球を受けた近本光司外野手(28)の状態をポイントに挙げ、逆方向へ打撃を勧めた。
ポストシーズンに向けて調整段階なので、評価は難しい部分もあるが、気になったのは近本。七回に死球を受けたが、左打者が左足に当たってしまうのは、一番ダメなパターンだ。
打席で投球に対して体が開かずに対応できていたら、当たったとしても普通は右足。右足に当たるのは、しっかり壁が作れている証拠で、何の心配もいらない。これに対して、左足に当たるのは、体が開いてしまっている証拠でもある。
脇腹などに死球を受け、離脱も経験した今シーズン。この残像が残っている証拠とも言える。無意識に開いてしまうのだろう。
投手は打者に対して、なんとか開かせようと内角の厳しいところに投げる。対する打者は、しっかり踏み込んで、開かないようにと意識する。投手と打者の対決は、この一点に尽きると言っても過言ではない。
開いていない打者は、投手から見たら、打席で胸の文字が見えない。開いている打者は文字が見える。これが判断基準。この日の1打席目からの近本の打席を見ると、「Tigars」の文字が見えてしまっていた。やはり開かされているのだろう。
開かないようにするには、基本は逆方向へ打つこと。近本ならセンターから左方向へ打つことを意識すればいい。しっかり踏み込んで、もとの調子を取り戻してもらいたい。
近本クラスの打者なら、修正法は熟知しているだろうし、コーチ陣もついている。死球を避ける技術も高いレベルの選手なので、大きな心配はしていないのだが、万が一、近本の打撃が崩れると阪神にとっては一番痛い。ことしのチームは大山、佐藤輝、中野、木浪らが頑張ってきたが、やはり近本の出塁、好機でのしぶとい打撃があってこその優勝だった。
クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦まで十分に時間があるので、じっくりと状態を上げていってもらいたい。(本紙専属評論家)