「やっぱり、こういう時期ってくるんですね。打てる打てないとかじゃなくて、なんか、ダメになる」
率直に、胸中をそう激白する。プロの壁にぶちあたった前半戦を乗り越え、後半戦は主軸として〝アレ〟に大貢献した。そして今度は、強打者なら誰もが通る道、相手バッテリーの内角攻めを強く意識させられている。
「インコースの気配は感じる。ずっと。やっぱインコースに詰まりたくないってなると(打撃が変わってしまう)。分かっているんだけど、なかなか難しい」
シーズン終盤に入り、ますます厳しく内角を攻められる森下。この試練を克服した先に、栄光がある(撮影・森田達也)グラウンドに立てばいつもの明るさでチームを盛り立てる男も、まだプロ1年目の若虎。人知れず、もがいていた。どうするべきかは分かっている。「悩まず振っていくしかない? そう」。恐れず、アグレッシブに、この壁もぶち破る。
結果は出ていないが、無安打の期間には、どん欲に進化を目指し「もっと自分の長所である長打力を伸ばせる」と、従来の重さのバットに加えて15グラム重いバットを取り入れてきた。この暗闇を抜けた先には、新たな境地が待っている。虎がCSを勝ち抜き、日本一という頂に立つための力に必ずなる。
「チャンスをもらったら打つ気持ちでいるのでそこはかわらず、やっていきたい」
てっぺんを目指し、思い切りバットを振り抜く。悩みを振り払うフルスイングで、忘れていた快音を取り戻す。(原田遼太郎)