ADとして初めて携わった番組で放送作家を務めたのが作詞家、秋元康氏(64)。秋元氏からとんねるずを紹介されるなど人脈に恵まれ、「結局、仕事は人と人とのつながり。どんな人と出会うかは運ですが、噓をつかず正直に付き合うことを心掛けてきた」と誠実な姿勢を貫いた。
座右の銘は「軽く野放し」。「番組制作の『入り口』でスタッフの企画を聞いて『思いっきりやれよ』と〝野放し〟にして、放送が近づいた『出口』にまた話し合って『よし、行こう』となる。自由にやらなければ面白いものはできない」との持論を展開。直後に「けっこう良い座右の銘だよね?」と自画自賛して場を和ませた。
現職に就く前までグループ会社の共同テレビ社長を7年間務めた。〝外〟から見て気になっていたのが、番組最後に流れるスタッフロール。「僕たちの頃に比べて3倍ぐらいの人数がぞろぞろと流れていて、これでは作り手の哲学が伝わらない。分業制だとヒット番組は生まれづらい」と常に〝わが家〟を気にかけていた。
フジは全日(午前6時~深夜0時)、ゴールデン(午後7~10時)、プライム(同7~11時)の年間平均視聴率で民放トップになる三冠王を1982~93年と2004~10年に獲得。現在は10年以上遠ざかっている。
「番組制作の現場で三冠を獲得した喜び、その後2位になった10年間ぐらいの悔しさ、そしてもう1回取り戻した喜びを丸々体験した人は、僕ぐらいの年にならないとなかなかいない」と70歳での社長就任に使命を感じている。「社長在任中に三冠を達成できるかは分かりませんが、道筋はつけたいし、環境を整えて、その目標に向かって一致団結したい。2回できたことが3回できないわけがない」。はっきりと言い切った。