九回、マウンドでピンチの柳に声をかける立浪監督=バンテリンドームナゴヤ(撮影・榎本雅弘) (セ・リーグ、中日1―0広島、3回戦、中日3勝、3日、バンテリンD)中日・柳裕也投手(27)が広島打線を3安打に抑え、12球団一番乗りとなる完封勝利を挙げた。
「きのう、延長十二回で投手陣がたくさん投げて、チーム全員で勝ったのを見ていたので、きょうは一人で投げようと思っていました」
2日はベンチ入りした9投手全員が登板。練習を終えた球場で見始め、車で自宅に帰ってテレビをつけても続いていた熱戦の代償を考えれば、マウンドを降りない決意は固まった。
新球のスローカーブも生かしながら、三~六回は三者凡退。六回に1点の援護をもらったあともゼロを並べ、八回に巡った打席でも代打は送られることなく九回のマウンドへと向かった。しかし、招いたのは1死一、二塁のピンチ。ここでマウンドにやってきたのは落合ヘッド兼投手コーチではなく、立浪監督だった。
「ここまで頑張ったんだから、とにかく腕を振って。必ずゲッツーを取れるから」
背中を押され、気持ちをリセット。右腕はその言葉通りにマクブルームを三ゴロ併殺に仕留め、右拳を握ってほえた。
「1―0で完封できたというのも良かったと思うし、今年はもっと長いイニングを投げて完投、完封にもこだわってやりたい」
2020年に10完投6完封で沢村賞に輝いた大野雄の背中を追う。12球団の誰よりも早い完封勝利から、柳の22年はスタートした。(須藤佳裕)