虎のぬいぐるみを挟んで対談する矢野監督㊧と清水。野球と空手について語り合った(撮影・松永渉平)矢野 体幹って、どういうことをやるの?
清水 回ったりも飛んだりもしますし、方向転換も、すごく体を前に動かすとか。組手の方が、もっと体幹を使うとは思うんですが、形の場合は、ちょっと固めた体幹に近い感じ。決まった形に全力で入っていっても、最高スピードを止めるくらいの体幹がいるんで。組手だったら相手に当たるんで、そこで吸収されるんですが、形は自分でその力を止めないといけないんで、止める力と出す、両方の力を必要とされるんで。
矢野 大変だなあ。でも、それが見せ場になるんだよね?
清水 はい。ただ力が入っていれば速いわけでもないので、その抜き差しをうまくするというのと、止めたときの一致感。手だけを止めるとかじゃなく全身の一致感をどれだけ、立ち方とかも、意識してできるか。
--ふらついたら…?
清水 すごい減点されます。ミスはもう、負けと一緒と思っているので。
矢野 すごく難しいと思うのは、人に評価されるじゃないですか?(自分の感覚と点数の)差とかはありますか?
清水 やっぱり、あります。五輪のルールとして(19年から)今の点数制が入ったので。それまでは5人の審判の先生が赤か青かみたいな判定だったんですが、点数制になって、より細かく出るので。「今の確実にいけたな」と思っても点数が伸びないとか。大会や審判層によっても変わったりするので、常に研究になってきますね。
矢野 思ったほど点数が出なかったとき、受け止め方というのは?
清水 何がダメだったんだろうとすごく悩んだりしますし、実際に映像を見てみて、ここがダメだったのかとか。19年には呼吸音とかで減点されたこともあって。
矢野 え~っ⁉
清水 呼吸音が大きな減点になってしまって負けてしまったことがあったので、そこは直さないといけないんだなと。常に探してみて。
矢野 …呼吸音⁉
(一同、爆笑)
清水 わかりやすく言うと、ボクシングでシュッシュッって、いうじゃないですか。ああいうのはダメなんです。技に合った呼吸ならいいんですが、突きとかするときに耳に残る呼吸音はダメなんです。技に合っていれば…。呼吸しないと形は打てないんで(笑)。難しいところですが追求しています。