--空手は人生経験、どう生きてきたかも演武に出ると話されていた
清水 形は特に、同じことをずっと繰り返してやるので、創作もできないですし、決まり事の中でプラス、歴史も守りながら、どれだけ自分を表現するか。どれだけ理解しているかもそうなんですが、経験によって深みが出てくる。高校生のときは元気よく、勢いがあるような打ち方がいいと思いますし、大人になればなるほど、自分の経験を表に出すようにする。すごく難しいんですが、すごく大事だと思って稽古をしています。
矢野 俺らは走る姿に全部、出る。走姿顕心(そうしけんしん)といって、走る姿が心を表す。あきらめている奴は、あきらめる走り方しよるし、あきらめていない奴は、あきらめていない走りをする。その姿で心が表れてしまうよね。他の仕事も結局、全部共通していると思う。
(続けて)
昨年から試合後、勝っても負けても最後に(ファンへ)あいさつして帰ることにしているんですけど。子供らの見本になりたいって思って。大人がかっこよくいたら子供らは輝くやろって。プロが子供たちの見本になれるような挨拶を、ということで3秒くらい(お辞儀)できたらいいなと。日本には礼に始まって礼に終わるという、いい文化があって、相手を敬うであったり、この場所に感謝であったり…。最後までかっこよく、日本の文化を大事にしたいねって、外国人選手も、やってくれているのね。
--空手は経験で演武に深みが出るなら、年齢を重ねるごとに…
清水 ただ、現役だけがすべてではないと思っているんで。わたしは生涯空手をやりたい。その中で何を見つけるか。競技はルールに沿ってになるんですが、それとまた違う目線の空手もやってみたい。そっちの道も極められるようにしたいと思っています。
矢野 どういう空手になるんですか?
清水 競技になるとスポーツなので、よりわかりやすくとか見やすくとか、スピード感とか強さを求められるんですが、空手は伝統的なものがずっと来ているので、本当に相手をどう倒せるかとか、本当に効く技かとか、そうしたら本当は、そこまで距離を出して突かなくていいのに、競技は見やすいように、ちょっと出したりとか。許容範囲がちょっと広がったりとか。そういう無駄を省いて、競技とはまた違う空手をやってみたいなとは思っています。