「トラックマン」は迎撃ミサイルの開発に伴ってできたシステムで、対象物(ミサイル)の速度などを追尾(トラッキング)するものです。野球では対象物がミサイルではなくボールになります。前日7日の五回に出たサンズの中越え2ランは、打球速度166キロ、打球角度30度、飛距離129メートルでした。キャンプ、オープン戦から佐藤輝の特大アーチを見続けてきた原田は、甲子園で一発が出たときにどんな数値がはじき出されるか、ワクワクしながら待っているのです。
「見たいですよ。バックスクリーンを軽々と飛び越えていく打球を打つ選手です。たぶん、誰よりもすごい数字が表示されると思います」
出ません。佐藤輝の一発どころか、冒頭に書いたように五回まで「0」と「o」。六回に近本が右前にチーム初安打を打ちましたが、七回までその1安打だけ。八回に梅野のヒットと山本が選んだ四球で無死一、二塁として高橋をマウンドから降ろしたものの、後続が倒れました。
お預けです。佐藤輝も、九回2死二塁で回ってきた第4打席は空振り三振。最後の打者になってしまいました。
9日からのDeNA3連戦が行われる横浜スタジアムにも「トラックマン」は設置されていますが、これも甲子園球場と同じく追尾するボールは本拠地の選手の本塁打だけ。阪神の選手は打っても数値は表示されません。
まあ、こういう日もあります。数値が出ないけど、横浜で調子を取り戻して、そのあと戻ってくる甲子園(13日から広島3連戦)を楽しみにしましょう。
ちなみに、日本では導入された歴史が浅く「ランキング」になるほどの参考数値がありませんが、メジャーでは日本時間5日にエンゼルスの大谷がホワイトソックス戦で右中間席に放った2号ソロが、今季のメジャー全本塁打の最速で185・4キロ。佐藤輝がどこまで迫るか。大丈夫、そのうち、甲子園でも打ちますから。