後日、罰金は上田に全額返金された。「両親に仕送りをしているのを知っていたから」と指揮官。この日の劇弾に、上田は「恩返しができてよかった」と声を弾ませた。
最大6点差以上から逆転勝ちしたのは今季初で、昨年7月26日の中日戦以来となった。台風21号の影響で強風が吹き荒れる中、思わぬ守備のミスも頻発し、両軍で計31安打21得点が飛び出した大荒れの試合を制し、チームは再び勝率を5割に戻した。
荒天にも負けず、集まった1万4582人の観衆に上田は「CSへ、あしたからまた戦っていきます」と誓った。この日の「執念」は、CS進出、そしてさらなるミラクルをも予感させるほど強烈なものだった。 (横山尚杜)
「(右前打でつないだ九回は)最後まで諦めない気持ちだった。こういうゲームをものにできたのは大きい」
「つなぐ意識だった。全員があきらめないという気持ちをもっているから、こういう結果になったと思う」
〔1〕ヤクルトが延長十一回に上田のサヨナラ本塁打で勝利。ヤクルトが最大6点差以上から逆転勝ちしたのは今季初めてで、昨年7月26日の中日戦(10点差=プロ野球タイ記録、五回表終了0-10→最終11-10)以来。
〔2〕九回以降に6点差を逆転勝ちしたのは、1987年6月13日のロッテ(八回裏1-7→九回表9-7、対近鉄)や93年6月5日の近鉄(九回表2-8→同裏9-8、対ダイエー)が記録した例がある。
〔3〕九回に6点差を同点に追い付いて延長戦に持ち込んだのは、2003年4月11日の巨人(九回表1-7→同裏7-7、最終8-8、対広島)などがある。