(セ・パ交流戦、オリックス4-11阪神、1回戦、阪神1勝、6日、京セラ)もうチャンスは逃さない。5番・原口が食らいつき、絶好機をモノにした。塁上で力強く手をたたく姿とともに、帰ってきた。ゲームをひっくり返す決勝打から、開幕戦以来の猛打賞だ。
「前のバッターがつないでつないでという打席だったので、僕もつなぐ意識でいきました。ホントもう、必死のパッチで打ちました!」
0-2の三回二死二塁から、上本が右中間を破る適時二塁打。高山が中前へ同点打。4番・福留はフルカウントから四球でつなぎ一、二塁となった。ふらつく金子を一気に倒したかった。
「少し強引でしたけど、しっかりスイングして芯で捉えられた」
1-1からの外角144キロを引っ張り込み、ライナーで遊撃頭上を抜いた。勝ち越しの左前適時打だ。
4日の日本ハム戦(甲子園)の九回、代打同点打から2戦連続打点。だが、これで終わるワケにはいかなかった。五回も金子に追い込まれながら軽打で左前打。8-2の六回二死満塁では、3番手・ヘルメンから左翼線2点二塁打。3月31日の開幕戦、広島戦(マツダ)以来の3安打で今季初の3打点。金本監督を「原口しかり、上本しかり。みんな本当、いいところで打ってくれたという試合でした」と深くうなずかせた。ため込んでいたものを、ようやく解き放った。
自身初のサヨナラ本塁打を放った4月6日のヤクルト戦以来の、京セラドームのゲームだった。あの3連戦中に、結婚後初の同居が始まった。帰れば大ごちそうと笑顔に迎えられ、夢見心地の毎日。夢の中でも好調で、新妻が眠れないほどの寝言をつぶやいた。だが、調子と打率が下降線をたどると一変。「自分の歯ぎしりで目が覚めたんです」-。
打撃のことが頭から離れない。2軍行きも頭をよぎった。はい上がる道の険しさは誰より知っている。交流戦突入直後の千葉遠征から、朝10時半に宿舎出発し連続ティーと素振りを行う早出特打組にも加わった。噛みしめていた悔しさを練習にぶつけ、もう一度はい上がるしか道はなかった。
「結果を求められる立場なので。出たときにしっかりと結果を出したいと思います」
ヒーローインタビューでも表情を引き締める。これを完全復活にし、目覚めなくては、寝言も言えない。笑顔とともに、バットももっと弾けさせる。 (長友孝輔)
◎…原口が3安打3打点。3安打は3月31日の広島との開幕戦(マツダ)以来。3打点は今季初。昨年7月28日のヤクルト戦(甲子園)での4打点以来
◎…阪神が三回に6得点。1イニング6得点以上は、5月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)の五回(6点)以来、今季4度目。最多は5月6日の広島戦(甲子園)での六回の「7」