明大戦への準備が始まった11日、練習前の人気のないグラウンドに黙々と掃除をする森川の姿があった。「先輩の姿をみて、どんなときでも続けようと決めました」。大一番を前にしても初心は決して忘れない。この地道で、おごりのない姿勢に帝京大の真の強さが秘められている。
この日もボールを持った仲間をしっかりとサポートし、トライにつながるモールでは押し込む方向を細かくずらして前進した。明大とは個々の身体能力では互角だが、細やかな仕事の積み重ねで、大きな差を生み出していた。明大はノートライだった。
SH流大主将も「後先考えずにキックオフから全力を出し切ろうと臨みました」とフィフティーンの思いを代弁した。前人未到の大学選手権6連覇、悲願の打倒トップリーグという大きな夢よりも、自分たちの足元を見失わずにたどり着いた対抗戦4連覇。地に足が着いた王者に、油断はない。 (吉田宏)
「全勝対決だったので、選手たちも明大側も気合が入っていた。強引さもあったので、修正していきたい」