東京へ向けて出発する山陽新幹線・新神戸駅。前日11日の正力賞受賞でみせた晴れやかな笑顔とは一転、星野監督が表情を曇らせた。
「こうしている間にも他球団は着々と来季に向けて動いておるけど、こちらは腰を据えて目を向けられん。まあ、困ったわな。アジアシリーズへの抱負? 知らんわ」
エース田中の米大リーグ移籍は決定的となっている。ドラフトでは超目玉の松井(神奈川・桐光学園高)を1位指名で引き当てたが、来季すぐに田中の穴を埋められるかは疑問。指揮官としてはFA市場、トレードなどの動向に目を向けたいところだが、15日からは日本一チームとしてアジアシリーズ(台湾)を控え、じっくりと検討する時間がないのが実情だ。
この日、広島から大竹がFA宣言し、日本ハムは新外国人2投手の獲得を発表。他球団のオフの動きが活発する中、星野監督は「FA(補強は)ないよ。いまから大竹といっても時間的に無理。大型トレードも、うちには玉(交換要員)がおらんしな。どないするんや?!」と先行き不透明な状況に頭を痛める。
田中が抜けたら、その穴はどう埋めるのか。「外国人投手は取る。2人は取る。そこまでしか言えん」。晩秋とともに闘将の苦悩も深まる。 (西村浩一)