2021.2.5 12:00

【ベテラン記者コラム(104)】成長への貴重な機会 東京五輪バスケ、W杯金銀と対戦

【ベテラン記者コラム(104)】

成長への貴重な機会 東京五輪バスケ、W杯金銀と対戦

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東京五輪組み合わせ抽選後にオンラインで記者会見する男子代表のフリオ・ラマス監督(日本バスケットボール協会提供)

東京五輪組み合わせ抽選後にオンラインで記者会見する男子代表のフリオ・ラマス監督(日本バスケットボール協会提供)【拡大】

 ホスト国への配慮などまるでない、“ガチ”の組み合わせになった。国際バスケットボール連盟(FIBA)が2日に行った東京五輪5人制男女の1次リーグ組み分け抽選で、日本の男子は地獄のグループに入った。

 世界ランキング41位の日本と同じC組に入ったのは、同2位のスペインと同4位のアルゼンチンで、2019年W杯で決勝を戦った両チームだ。残る1枠は未定だが、6~7月に4カ所で行われる世界最終予選のうち、リトアニア大会の1位が入る。リトアニア(同8位)やポーランド(同13位)が予想され、日本には1勝すら遠い遠い目標に感じられる。

 一昨年の中国W杯にはアジア予選で8連勝し、自力では21年ぶりに出場権を獲得。八村塁(22)=ウィザーズ=や渡辺雄太(26)=ラプターズ=の登場、Bリーグ発足などもあって盛り上がり、期待を集めたが、本番では1次リーグ4戦全敗。順位決定リーグでも2連敗し、計5戦全敗の31位に。目標の対欧州勢勝利どころか、世界との格差を思い知らされた。

 一方で、NBA選手で構成された米国や欧州勢のチェコなどと対戦できた。五輪やW杯など世界トップレベルと真剣勝負できる機会は少なく、これまでの日本は出場すら遠かったが、その経験を積み重ねないとチームとして実力はつかない。

 だから五輪の組み合わせを受け、フリオ・ラマス監督は「W杯の決勝を戦った2チームに挑戦する機会を与えられた。ありがたい」。W杯で主将を務めた篠山竜青(32)=川崎=も「W杯の米国に続いて、強豪のスペインやアルゼンチンと対戦できるのは、日本にとってとても幸運で、チャレンジしがいのある組み合わせ」とした。

 母国・アルゼンチンとの対戦が決まり「正直、変な気持ちだ。運命的なのか」と複雑な表情を見せるラマス監督。それでも「目標として挑戦するのは、まず1勝。過去に戦ったことのないチームや勝てなかったチームに勝ち、歴史を変える」。コロナ禍で十分な合宿練習ができない現状だが、「練習の回数を増やし、しっかりした準備をして臨みたい」とした。

 八村と渡辺がNBA、そして馬場雄大(25)がオーストラリアNBLという高いレベルの中で研鑽(けんさん)している。彼らに続けと米国の大学で挑戦する若手も増えている。日本男子バスケの、かつてない飛躍の時は近いという予感は強い。そんな中で迎える五輪での強豪との試合は何物にも代えがたい貴重な機会。コロナ禍で不安材料は多いが、流れるようなことがないよう願うばかりだ。(只木信昭)