身長166センチで手足が長く、軽やかに駆ける。23歳の前田穂南(ほなみ)=天満屋=は2017年8月の北海道を制し、女子一番乗りでMGC出場を決めた。
実業団で花開いた。強豪の大阪薫英女学院高出身だが、全国高校駅伝は3年間控え。1学年先輩でMGCでもライバルとなる松田瑞生(ダイハツ)がエースとして活躍したのとは対照的に、都大路を1度も走ることはなかった。当時を「悔しい思いがあった」と淡々と振り返った。
15年に天満屋に入り、徐々に力をつけた。17年1月に初マラソン。2戦目でMGCの切符を獲得すると、18年1月の大阪国際は自己記録の2時間23分48秒で、松田に次ぐ2位に入った。ここ2戦は故障や悪条件に苦しんだが、代表有力候補に成長。武冨豊監督は「こつこつ努力し、強くなりたい思いに迷いがない。心の強さがある」とストイックな姿勢をたたえる。
口数は多くないものの、生来の負けず嫌いだと認める。「最後まで諦めず、粘り強く走ることが持ち味。しっかり五輪の資格を取りたい」。12人が競う大一番へ、静かに燃えている。