モントリオール世界映画祭で二冠に輝いた映画「ふしぎな岬の物語」などで知られる映画監督で脚本家の成島出(なるしま・いずる)さんが24日に肺がんのため死去していたことが28日、分かった。所属事務所が発表した。65歳だった。
成島さんは2017年公開「ちょっと今から仕事やめてくる」の撮影後、肺がんで闘病。20年公開「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」で復帰した。
20年「いのちの停車場」の会見時には主演の吉永小百合(81)から闘病中にお守りと手紙をもらっていたことを告白。
成島さんは1961年4月16日生まれ、山梨県出身。駒大文学部中退。大学の映画サークルで活動を始め、86年に監督を務めた「みどり女」が、ぴあフィルムフェスティバルに入選。その際、長谷川和彦さんと大島渚さんに「映画監督になれ」の言葉を贈られ、この道に進むことを決意した。
その後、5年間、長谷川さんのもとで書生のような生活を送り、「ディレクターズ・カンパニー」に参加、映画製作を学んだ。
94年「大阪極道戦争しのいだれ」で脚本家デビューすると、「T.R.Y」「日本沈没」、「クライマーズ・ハイ」などを手掛けた。
一方、2004年に俳優、役所広司(70)と柄本明(77)のダブル主演「油断大敵」で初監督を飾り、10年には「孤高のメス」で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞、11年公開「八日目の蝉」で日本アカデミー賞最優秀監督賞など計10部門を受賞する快挙を達成。同「聯合艦隊司令長官 山本五十六」はモントリオール世界映画祭に特別招待された。
14年公開「ふしぎな岬の物語」では企画から携わった主演女優、吉永小百合(81)と初タッグ。同年のモントリオール世界映画祭で審査員賞特別グランプリとエキュメニカル審査員賞に輝いた。
「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」「銀河鉄道の父」など多数の話題作を世に送り出した。