先発の健大高崎・佐藤麻恩=甲子園球場(市村奉紀撮影) 第108回全国高校野球選手権大会第14日第2試合(20日、天理0-1健大高崎、甲子園)準決勝が行われ、健大高崎(群馬)が天理(奈良)、智弁和歌山が横浜(神奈川)に勝って22日の決勝に進んだ。2024年選抜大会覇者の健大高崎は初、智弁和歌山は3度目の優勝を果たした21年以来5年ぶり5度目の夏の決勝となる。健大高崎は1―0で勝利。一回に適時打を放った佐藤麻恩投手(3年)が、投げては八回途中まで2安打無失点でしのぎ、継投で逃げ切った。
健大高崎の二刀流が真価を発揮した。「4番・投手兼DH」の〝大谷ルール〟で出場した健大高崎・佐藤が八回途中まで無失点と好投し、打っては一回に決勝点となる先制打。チームは〝スミ1〟を守り切り、夏の甲子園で初の決勝進出を果たした。
「打点を挙げて自分を楽にさせるっていう気持ちだった」
一回の打席は1死一、二塁で「強気にいった」と初球の直球を右翼へはじき返し、自らを援護。マウンドでは「とにかくゾーンで勝負」とスライダーを低めに集め、2安打に封じた。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平に刺激を受け「投げる日はより(打席に)気合が入る。ピッチャーをして打つのが本物の二刀流」と力強く話した。
一回、先制の適時打を放つ健大高崎・佐藤麻恩=甲子園球場(米岡佑輔撮影)二刀流の土台を築いたのが、2024年冬からチームで実施するメンタルトレーニングだ。野球部の生方啓介部長(45)の夫人、郁子さんの指導で「グッド・モア・ネクスト」(良かった点、課題、次に取り組むこと)を、試合後に書き出して全体で共有。公式戦の期間中も続け、その日に出た反省を次の試合につなげてきた。
昨秋の群馬県大会は準々決勝で敗れたが、課題解決を繰り返して成長。大一番で活躍した佐藤は「試合中でも落ち込むのではなくリセットできている」と効果を口にし、「健大高崎らしい野球を最後までやっていきたい」と決勝を見据えた。
高橋光成(現西武)を擁した前橋育英が頂点に立った2013年以来、県勢13年ぶりの栄冠を群馬に届ける。(礒谷優真)