六回、2ランを放って、吠える阪神・森下翔太=東京ドーム(撮影・佐藤徳昭) (セ・リーグ、巨人2-10阪神、14回戦、阪神9勝5敗、9日、東京D)バットを手から離すと、大きく声をあげた。美しく舞い上がった放物線が、バックスクリーン左のスタンド中段に突き刺さる。阪神・森下翔太外野手(25)の勢いが止まらない。2戦連発の22号2ランで、巨人にトドメを刺した。
「自分の中では最低限のラインというか。完璧には修正できなかったですけど、まあなんとか、という感じですね」
4月14日に6回零封の好投を許して以来の対戦となった則本から、五回までに8点を奪ってノックアウト。六回に2番手・高梨にスイッチしても、攻撃の手を緩めなかった。2死一塁で打席に入った森下が、フルカウントから内角の直球をすくい上げた。132メートルの特大の当たりに、外野手が追うことも諦める。三回には両リーグ最多11個目の死球を受けていたが、ものともせずに今季3度目の死球後のアーチ。今カード1勝1敗の同率首位で迎えた第3ラウンドで、宿敵を沈めた。
今季3度目となる2戦連発(3戦連発が2度)で本塁打争いも独走だ。2位の佐藤とは6月17日までは並んでいたが、わずか11試合で6本差をつけた。76試合を消化し、シーズン41本ペース。昨季40本塁打でタイトルを獲得した佐藤超えの記録も、射程圏内に入る。
首位の虎を引っ張る森下の力は、他球団の選手たちも認めるしかない。この日、オールスターゲームの選手間投票の結果が発表され、森下はセ・外野手部門で2年連続の選出。唯一の500票越えとなる549票を集め、ファン投票に続いて12球団最多得票だった。
「同じプロ野球選手の中から選ばれるというのはひとつうれしい。パ・リーグの選手も入れてくれないと、選手間投票でも選ばれない。そういう意味でもうれしいです」
高橋、坂本も選手間で選出され、虎が誇る不動の打撃陣の中野、森下、佐藤、大山はそろってファン投票と選手間のダブル選出。リーグ屈指の打撃陣が、そろって球宴の舞台に立つ。この日も4人合わせて7安打7打点をたたき出し、その力を証明した。
「自分はタイムリーとかじゃないですけど、(佐藤)輝さんと大山さんが、勝負強さを出してくれていたので」
後ろを打つ頼もしい先輩のバットで作った試合を、見事に本塁打で締めた。一年に一度の祭典までは残り5カード。単独首位に立った勢いのまま後続を引き離し、球宴を迎える。(中屋友那)