プロボクシング・ダブル世界タイトルマッチ(2日、東京ドーム)第4試合の東洋太平洋ウエルター級タイトルマッチ10回戦は、指名挑戦者で同級1位の佐々木尽(24)=八王子中屋=が、2度目の防衛を目指していた王者の田中空(24)=大橋=に2-1の10回判定勝ち。同じ年齢のハードパンチャー対決は、世界挑戦経験のある佐々木が接戦を制して新王者となった。
「ザ・ムービー」佐々木vs〝ハマのタイソン〟田中の対戦は終始打ち合いの大接戦だった。祈りながら判定結果を聞いた佐々木は「倒せなくて、『ザ・ムービー』できなくて、本当に申し訳ないです。見てくれた人に失礼かなという内容。正直こんなもんじゃないです。3ラウンド以内では決めようという覚悟を持って挑んだんですけど、そこで倒せなかったのが世界に向けて今のままじゃ無理だなと思った」と反省した。
1回から近い距離で打ち合い、2回にアッパーを被弾して鼻血を出す。5回終了後の公開採点では48-47、49-46、47-48とわずかにリード。佐々木は左フックの上下、田中は左右のアッパーを中心にヒットしてお互いに引かない。最後まで打ち合うも互いに決定打を欠いた。ジャッジは1人が96-94で田中の勝利としたが、残り2人が97-93、96-94で佐々木を支持した。
昨年6月に東京・大田区総合体育館で世界初挑戦し、2度目の防衛を目指していたWBO王者のブライアン・ノーマン(米国)に5回46秒で失神KO負け。2月の再起戦で2回TKO勝ちした。東京ドーム興行に向けてSNSで新しい愛称を募集し、「ザ・ムービー」に決めた。「見る人の記憶に残る、映画のような試合にしたい」と意気込んでいたが、映画のような劇的なKO勝利は見せられなかった。
次戦は9月21日に地元の八王子で凱旋(がいせん)興行に臨む。「また強い相手と試合する」と早くも次戦を発表した。
マイク・タイソンを敬愛し、〝ハマのタイソン〟の愛称を持つ田中はアマチュア5冠のエリート。対する佐々木はアマチュア経験はほとんどなく、プロたたき上げだ。対照的な2人の対決を制した佐々木は、東京ドームの満員の5万5000人の観客に恒例の「待ってろ世界」コールをおかわりした。
プロ6戦目で初黒星を喫した田中は「このような結果になったのはすごく悔しいです。ちょっとやっていて、ポイントを取られているかなと思いました。佐々木尽選手の方が見せ方とかがうまかった」と潔く負けを認め、肩を落とした。そして、「ここでは終われない。すごく悔しくて、もう1回、佐々木尽選手と闘える位置まで戻ってこようと思っています」とリベンジを誓った。
興行はNTTドコモの映像配信サービス「Leminoペイ・パー・ビュー」で独占生配信された。プロ戦績は佐々木が24戦21勝(18KO)2敗1分け、田中が6戦5勝(5KO)1敗となった。(尾﨑陽介)