投内連係の練習を行う能登。ベテラン虎番がブレークを予言した ベテラン虎番、三木建次の朝はこの日も早かった。午前6時に自宅を出ると、新幹線に乗って名古屋へ。そこから在来線に小一時間ほど揺られ、愛知・蒲郡市の蒲郡球場に到着した。ターゲットは、6年目を迎える中野拓夢だ。
なぜ、中野が蒲郡市に?と思った方に、球歴をおさらいしよう。山形出身で、日大山形高から東北福祉大と〝地元〟で腕を磨いた。そして次のステージに選んだのが、愛知に拠点を置く三菱自動車岡崎だった。
例年なら、岡崎市内の岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで自主トレを行うが、今秋に開催予定の愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会に向けてスタジアムは改修中。今年は三菱自動車岡崎の選手とともに、サブ球場がある蒲郡でトレーニングを積んでいる。
「お世話になった社会人チームで、現役でかぶっている選手もまだ何人かいる。久しぶりに会えて懐かしいというか、改めて良かったなっていう風に思い出させてもらえるような場所でもある。とても有意義な時間が過ごせている」
そんな中野の言葉に、ビヤ樽が解説を加える。
「原点に戻る、という気持ちになるんやろな。今季は3億円プレーヤーやけど。ほんま、うらやましいわ」
途中からは嫉妬が混じっていたけれど、〝中野効果〟は確かなようだ。
「172センチ、67キロと体は大きくないから、三菱の選手たちの方が体格がいいくらいで、混ざると埋もれてしまう。でもな、オーラを放っているからどこにいるかはすぐ分かるんや。3億円の後光やな。社会人でプロを目指している選手にとっては、いい刺激になっているはずやで」